第22話 あるカフェ店員の話②
今日は定休日。お店の二階にある居住スペースで旅行の計画を立てる。
「取り合えず仙台は除かないとね。あとは、富山と名古屋かな。神奈川に関しては40年以上経ってれば、万が一知り合いに会っても他人の空似位で行けると思うんだよね。どう思う?」
「そうですね。ただ鎌倉だと母に会う可能性もゼロでは無いですよね。旅行も兼てなら横浜辺りはどうですか?」
「(....由紀さん元気かな....。)そうだね。今回は横浜にしようか。」
「40年ですか。父さんって、今何歳ですか?」
「ん?....んー....75歳位かな♪葉くんは45歳だね!」
ははは。見た目が同年代なのに笑うしかないよな、ほんと。
「そういえば満月は元気にしているかな?一緒に地球に来た仲間なんだよね。」
「兎で居る事を選んだんですよね。連絡は取れないんですか?」
「生きてる頃は連絡も取れたんだけど、今はだれかの眷属してるんじゃないかな。」
「へぇ。亡くなると消息不明になるんですね。」
「葉くん、言い方ぁ・・・・」
「兎さんはふわふわしていれば良いのかもしれませんが、そうも行かない環境で育ってしまっていますのですみません。あと、前から思っていたんですが、父さんって寂しがり屋ですよね(やっぱり兎だからか?)。僕と再会するまでどうやって生きてきたんですか?」
「寂しいには寂しかったけど、お世話係の
僕も朧もここに来る前に雪が沢山降る所に居たから今度は温かい所が良いと思って。」
「確かに雪も降りませんし温暖な所でしたよね。とは言え、そろそろ潮時だと思いますので、来月旅行兼下見で年末年始で引っ越しましょう。」
「そうだね、朧には僕から伝えておくよ。ここに居るのもあとわずか。荷物は増やさないようにしているけれど、仕事道具は運びたいから引っ越し業者も頼まないとだね。」
諸々の手続きは僕の方が得意だから早速旅行の手配をする為にパソコンを開く。
帰ってきたら引っ越し業者と不動産屋、1か月あまりで諸々の手続きも終わらせなければならないな。そうだ、お店でも閉店のお知らせもしなくては。スマホにもメモを残しながら抜けの無いように確認しよう。
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