第10話 真実に触れる時 (3)

「おかえりなさい。ちゃんと見つけられた様ね。私も忘れっぽくなっているから、言った所に無かったらどこに仕舞っちゃったのかしら?なんて思っていたところよ。

 さて、この日記は美月ちゃんに預ける・・・というより、美月ちゃんに託すわ。美月ちゃんが生まれた時から、今日という日が来たら渡すべきだと思っていたしね。私は読めないから、知りたい事が書いてあるとは限らないけれど、きっとお爺ちゃんやお父さんがあなたに残した想いは伝わるんじゃないかしら。」


「私もおばあちゃんに見せてもらったけど。私も読めないのよね。美月にはたぶん読めるはずだから、あなたに託すわ。」


 お母さんの声は明るかったけど、涙目だった。


「おかあさんもお父さんに逢いたい?」


「もちろん!こんなに大きくなった美月にも逢って欲しいし。というか、絶対お父さんの方が美月に逢いたいと思っていると思うよ。」


「えぇ、おばあちゃんも絶対そうだと思うわ!おじいちゃんも美月に逢いたかったと思うし。でもきっとお爺ちゃんもお父さんも美月を見守ってくれているわ!」


「私もそんな気がする。」


 話し込んでいたら、あっという間に夕食時になっていた。


 3人で夕食を食べた後、お風呂に入って私はいつも泊まる部屋に戻ってきた。

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