第4話「明かされた真実」ー1

 ネックレスの支払いを済ませ、俺とオカンと男は、近くの喫茶店に入った。


「いつかは、新士にほんまのこと話さなければならへんと思っとってんで……」


 俺は、憮然としながら、アイスティーを飲んだ。一気飲みした所為で、腹がキーンとなった。


「新士くん、おかわり注文するかい?」


「あ? オマエ誰や? まずは自己紹介したれや」


「新士くんの言うとおりだね。俺は、黒沢 光くろさわ ひかると言います。京花きょうかさん……新士くんのお母さんとは……」


 黒沢は、そこまで言うと、オカンの方を見てオカンとアイコンタクトを取った。その様子を見て、俺は、ふたりが親密な関係であることを察知した。


「うちから話すわ」


 オカンは覚悟を決めたような目をして言った。


「新士……これからオカンが話すこと、聞く覚悟はあるか?」


「当たり前や! このままほんまのこと隠され続けた方が気色悪い!」


 オカンは深呼吸をして、衝撃の真実を話し始めた。


「黒沢さんはな……新士の……オトンや」


「はっ? この人と再婚するってこと?」


「ちゃうの……血の繋がりはないけど、この人は、新士のほんまのお父さんよ……」


「はあっ? どういうことや? オトンは、俺が2歳の時に重い病気でお星様になったって言うとったやろ?」


 オカンは “HADA SUIはだすい” のパステルピンクのバッグから一葉の写真を取り出して俺の前に差し出した。その写真には、若かりし日のオカンと俺と思われる幼子と、若かりし日の黒沢と思われる男が写っていた。

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