【三題噺 #77】「屋根裏」「椅子」「少年」(420文字)

課題をやろう

 ベッドに寝転がってスマホで動画を見ていたが、来週火曜日の朝八時までに提出の 課題を思い出した。そろそろ手をつけないとまずいと思い机に向かおうとするが、僕の勉強意欲を低下させる事態となっていた。

 椅子にミケが座っている。ミケはおばあちゃんの猫だが、おばあちゃんの部屋だけではなく家の中を我が物顔に存在している。

 どうやってどいてもらおうか考えつつミケと見つめ合っていたら、ミケが視線を外し天井を見る。僕もつられて天井を見る。

 何もないなと思っていると、屋根裏で何かが走る音が聞こえる。ネズミでもいるのかと 気になって、隣の部屋の和室の押し入れから屋根裏を覗く。

 そこには小さいおっさんならぬ小さい少年が二人いて、追いかけっこをしていた。   

 僕の足元にいたミケが乱入し、小さい少年を追いかけ始めた。

 課題のことを思い出した僕はちょっと嬉しくなっていた。ミケに椅子からどいてもらうのにいつも時間がかかるのだ。今日はとても助かった。

 二人と一匹はとても楽しそうだった。

 

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