俺に秘密はないってか?

サクラ堂本舗いまい あり 猫部(ΦωΦ)

俺に秘密はないってか?

達哉は悩んでいた。

な、何でだ!どうしてバレる?

隠しておきたい秘密があるわけではない。

ただ、これは言わない方が丸く収まるだろうと思って黙っていたことも

全てバレる。ある1人の人物だけにバレる。


たかが1人と言ってしまえばそれまでなのだが

その相手が彼女となると問題だ。


いやいや、浮気してるとかしたいとか思ってる訳ではない。

全て見透かされているのが嫌なのだ。


「ねぇこないだ仕事で出張って言ってたけど、あれ出張じゃなくてただの旅行だったよね?」

不意を突かれ

「い、、いや出張だよ。」そう答えるのが精一杯だった。

「出張ね。ふぅ~ん。温泉で有名なところへ男女6人で出張するんだ?」

全て知っていると言わんばかりの彼女の態度に言葉も出ない。


「そう、いきなり核心つかれて何も言えなくなっちゃったのね。

いいよいいよ。ただの旅行だったとしても元カノも一緒だったから言いにくかったんだよね。」


図星だ…。俺はそんな表情をしていたらしい。


「旅行だったことも、元カノがいたこと何で知ってるんだよ?」


「もう諦めなよ、達哉クン。私相手に隠し事は出来ないって知ってるでしょ。」


彼女の霊感は並外れていて、その才能を生かして仕事をしている。その道のプロだ。嘘はつけない。


「浮気旅行ではなかったんでしょ?だったら隠さなくていいじゃない。」

「俺もさ、当日の集合場所で知ったんだよ。友人に元カノがゴリ押しされて負けたらしいんだ。」


「正しくは、その友人が元カノが好きで達哉をネタに誘ったんだよね。そこで達哉を下げて自分のものにしたかったってとこかな。そして達哉は下げられたこと、

彼女に迫られたことで疲れ切って帰ってきたんだよね。」


旅行をつけてきたのかと思うほどリアルな説明に今更ながら驚く。


「あっ大丈夫よ。こっそり旅行について行ってないから。」


思ってることも読まれてる?!


「だから大丈夫だって。心の中まで視えないってば。」


えっ?また?


「だからさぁ嘘つかずに本当のこと話してね。達哉は私に対して秘密って無理だから。」


俺は隠し事はできないってことか…。達哉はがっくりと肩を落とした。



ふふっ達哉気づいてないんだ。昨日たまたまその友人が来て教えてくれただけなんだけどな。

でもこれで秘密にせずに何でも話してくれたらいいんだけどなぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

俺に秘密はないってか? サクラ堂本舗いまい あり 猫部(ΦωΦ) @hinaiori

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ