世界とかわいいわたしたち


空は人の感傷のために

墜落して黄昏やすく

黒猫は不幸にまみれて

魔女に飼われることとなった

自らの肉体パーツにさえラベルを張り

ありとあらゆるものが

標本となった

わたしたちの世界


人のまなざす瞳は

しきりに額縁を持ちより

一瞬の意味を撮りたがる

そして真実は

途端に諧謔的になってしまった


このひねくれた少年を

手放しに愛で続ける

底なしの歓心に退路はなく

それ故に誤ってしまう

わたしたちはちょっとかわいい


大地は人の母となり

全てを受け入れ

鳩は託された祈りの重さに

飛べなくなった

そして今日も

黒猫を撫でるわたしたちは

夜に撫でられ眠りにつく


(うん、明日もきっとわたしたちはかわいい)

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