第25話 ダンジョン9
前暴食の魔王と戦闘を開始して、10分経過したが俺は攻撃を当てられずにいた。
「あはは、その調子だと負けちゃうよ」
向こうが攻撃していないからまだ戦えているが、このままじゃあやばいな。
いろんな種類の攻撃をしたが、アルシエルは体を変形させたりスキルや魔法で攻撃を相殺してあたっていない。
くそ~、どうやったら攻撃が当たる様になるんだよ。
「うんうん、いい感じに悩んでいる様だね。ヒントをあげよう。君は暴食の、いや食べる事をどう思っているのかな?」
食べる、前世から当たり前にしてきた事だ。
前世では必要なエネルギーや栄養素を取り入れる為に何かを食べる。
そう習った。
しかし食べる事自体を何故?とあまり深く考えてこなかったな。
食べる事は何かを取り入れる事?
ん~、分からん。
何かを食べる事は微生物でもやっているごくありふれた行動だ。
そうすることで世界は循環している。
ん~ん、食べるとは。
何かを、ん?
食べるものは何でもいいのか?
何となく疑問に思った事を試しにしてみると、ビンゴ。
「気づいたようだね。そうだよ、暴食は食べる事に特化している。そのままの意味で何でもね」
普通に過ごしていたら気づくか、こんな事。
空間を食えるとか普通思わないだろ。
「まあそうだけど、人種は石や鉄を食べないけど、それらを食べる者もいるだろう?見方や立場を変えれば違った物も見えてくる物だよ」
はぁ~、正論過ぎて何も言えないな。
それで?
これからどうする?
「ああ、暴食の使い方がなっていなかったから指導していたけど、これからどうしようか?」
俺に聞くなよ。
そういえば何故、暴食を持っているんだ?
暴食はてっきり1人しか持てないものだよね?と今更になって思った。
「暴食は持っているけど、残りかすみたいなものだよ。次の暴食持ちが来た時に何かを教えられればなぁと思ってね。こう思考誘導してね。僕も何となくでしていたけどどうだった?ダンジョンに行きたいとか急に思った事があるでしょ?」
確かにあるが、あれこいつの仕業だったのか。
「それと僕の暴食も取り込んだ方がいいよ。君の暴食が少しでも強くなればいいからね」
アルシエルには世話になったがいいのか?
「いいんだよ。僕はもう終わった者みたいな感じだからね。君みたいな若者に任せて僕の事はいいんだよ」
ありがとな、俺が強くなったのはアルシエル、君のおかげだよ。
「あははは、まぁ、頑張ってね。これから大変だろうけどね」
アリシエルを飲み込み、暴食が強化されたのを感じ、絶対に強くなって勇者にも負けない様になってやる。
そう思い、前を向いた。
100階に着くとアルシエルが過ごしていた感じのまま、残っていて少しおかしかった。
干渉にふけっていたら、天井からパラパラと何かが降ってきた。
何かと思い、上を見上げると天井がひび割れていた。
まさかこのダンジョンはアルシエルがいなくなって崩壊しだしたとか?
先に言っとけよ、あいつ!
そう思い、転移を使い地上に戻った。
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