第26話 情報収集

 ダンジョンの崩壊から逃げる様に転移で脱出した俺は、ダンジョンがあった街から離れた別の街に来ていた。


 一応、アルシエルの約束もあるが、勇者なんて天敵の情報は知りたいと思い、情報収集の為にと来ていたが、なかなかに集まらないものだ。


 ダンジョンがあった街でも調べてみたが、ダンジョンが無くなった事で勇者の情報うんぬんとはいかずに別の街に来たわけだが…


 歴代の勇者の事については図書館で少しは分かったが、魔王が現れると勇者の証を持つ物が現れる、異世界から召喚する等、戦闘の方法とかどんなスキルを持っていたとかは書いていなかった。


 まぁ、こんな所にある図書館では期待はしていなかったが、異世界から召喚するとは、街に日本料理があったからそうではないかと思っていたが。


 もっと大きな街に行ってみるか。


 王都なんかが良さそうだな。


 王城にある禁書庫とかには見れる情報も多そうだしな。


 まずは王都は何処にあるのかな?


 数日、図書館にて調べ物をして王都に向けて出発した。


 王都か、どんな所だろうね。


 わくわくするよ。


 翼を出し、王都に向けて飛び出した。


 今は飛ぶのに翼は必要ないが、翼があると少し飛びやすくなるから出している。


 数時間後、暇つぶしに近くにいる魔物を魔法で倒しながら進んでいると、馬車が盗賊に襲われている所を発見した。


 盗賊と分かったのは鑑定したからだ。


 おお、これがあのテンプレの馬車が襲われているやつか。


 人化して助けたら王都に簡単に入れるかな?


 それに人がどの位の強さとかスキル持ちなのも知りたいしね。


 「やっほ~、助けはいるかい?」


 翼を消して近くまで降りていった。


 俺が空から現れた事に驚いたのか、馬車の周りにいた人達はびっくりした顔でこちらを見ていた。


 「おお~い、助けがいらないならこのまま進むけど」


 馬車の近くにいた人が焦った様に近くに来て話しかけてきた。


 「すみません、盗賊から助けて下さい」


 「はいはい、助けますよっと」


 魔法で盗賊を集めて、鑑定をかけると魔物にはないスキルが一杯あった。


 これだけでもここに来たかいがあったな。


 ステータスは100かそこ辺りで弱く魔物に襲われたら大丈夫なのか?と自分の事を棚にあげて考えてしまった。


 今から殺すんだし考えても無駄だなと思い、暴食を使い盗賊を消し去った。


 新たなスキルの獲得に考え込んでいると、さっき話しかけてきた人がこっちに来た。 


 「助けて頂いた事感謝いたします。商人のマイクです。見たところ若いのに凄い腕前ですね」


 「見かけたから助けに来ただけなんであまり気にしないで下さい。一応旅人しているノヴァです」


 「いえいえ、こちらは商品や命を救われました。何かお礼をしたいのですが」


 「王都に行きたいんだけどそこまで送ってくれたらいいですよ。王都に何があるのか知りたいですし」


 「はぁ、それ位ならたやすい事ですが…それと他にはありますか?」


 「んん~、特にはないんですよね」


 「それなら通行税もこちらでお支払いいたします。それでどうでしょう」


 「じゃあお願いしますね」


 良し、これで堂々と王都に入れる。


 今までこそこそ入らないといけなかったから、めんどくさかったんだよね。


 マイクの後に付いて行き馬車に乗り込んだ。

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