第4話

 メイドが用意してくれるご飯は廊下の外に置いてもらっていた。お風呂は部屋にシャワールームがある。なくても魔法でなんとかなる。

 だから部屋から出る必要がなかった。ずっと妖精と遊んでいた。魔法の研究、実験もちゃんとやった。魔法で遊ぶついでに内容を文章に纏めただけだけど。それが引きこもる条件だ。お母様への研究報告もこれでいいだろう。




 ドールタウンはなかなかに充実してきた。

 次は、小さい物を作りたい。まずは服を作ってみよう。

 火の妖精用の服、水の妖精用の服。材料は何がいいのだろう。火の妖精にはそのまま火で、水の妖精に水で作った洋服をプレゼントしてみる。

 そうすると妖精達はとても喜んでくれた。そしてそのまま自分達で真似して作り始める。妖精達にいろいろな服が流行っていく。

 妖精用のカトラリーも作ろう。家具も作ろう。とても楽しい。

 ドールタウンを更に充実させていく。




 妖精達と午前中いっぱい遊んだので、午後は魔法で遊ぶことにした。

 最近では水魔法がお気に入りだった。

 ドールタウンは空気の膜で覆っておいて保護をする。部屋中を水に沈める。その中にただただ浮かぶのだ。浮かぶというか、沈む。

 自分が魚になっても面白そうだが、鱗が気持ち悪いのでやめておく。


 全身水に浸かって、水中を揺蕩たゆたう。

 水に沈んでいるときの、耳に響くゴボゴボという音が好きだ。遠くの方で妖精達の遊ぶ声が響き、近くでは自分の口と鼻から出る泡の音が響く。

 でも、これでは普通のお風呂に沈んでいるときとあまり変わらない。なので、光魔法を合わせ技で使って、水中に、エフェクトをつけてみる。

 とても綺麗で、その日はずっと水に沈んでこの世界を堪能していた。

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