第8話 - 黒竜が目覚める

神様が黄金カードをしっかり握っているオリバーの腕を左手で抱え、右手で異界のドアを開いた。

ルナは突然飛び込んでオリバーの足にしがみついた。


「私も行く!」


神がびっくりして叫んだ。


「ルナは危ないからダメ!」


しかし、3人ともすでにドアを通過した後だった。

霧が立ち込めた森だった。

兄妹は倒れていた。


「早く起きなさい。オリバー、ルナ。」


神が兄妹を起こした。


「神様、ここはどこですか?」


ルナは目をこすって尋ねた。


「見たら分からないの?異界だよ。」


オリバーはついついてきたルナのことが面倒になってぶっきらぼうに答えた。




神とルナ、オリバーの3人は濃い霧の中で道に迷わないように手をつないで歩いた。

遠く曇った霧の間から黒竜が住む大きな城が見えた。

城の頂上は暗雲に覆われていた。

神とルナ、オリバーは城の壁のすきまからこっそり入って階段を上った。


「塔の頂上に姫が閉じ込められている。」


ルナが尋ねた。


「神様、どうして飛んで塔に行かないんですか?」


「それは外を飛び回ると城の後ろで眠っている黒竜に見つかる恐れがあるからだ。」


一行は塔の頂上に到達した。


「ここからはもっと気をつけなければならない。黒龍が寝ながらも監視する所だから。」


「はくしょん!はくしょん!」


ルナは突然くしゃみを連発した。


「ルナ!」


「ルナ!」


神とオリバーはびっくりした。

彼らの後ろに黒い影が近づいてきた。

3人がびっくりしながら後ろをゆっくり振り向くと、黒龍の赤い瞳が彼らをにらんでいた。

オリバーは悲鳴を上げた。


「うわっ!」


オリバーが素早くカードを取ろうとすると,神はそれを阻止した。


「待って。黒竜は私が退けるから、早く姫を救え!もう私の等級が回復するには少ししか残っていない! 君が姫を救えば等級が完全に回復するだろう。」


神は城の外に出て黒竜と戦い始め、オリバーは錠前に黄金カードをつけた。

キーという音がして厚い鉄の扉が開いた。


同じ顔をして同じ服を着た三人の姫がベッドに横になって寝ていた。


「どっちが本当に姫なんだろう?」


オリバーとルナが驚くのを聞いて、3人の姫が同時に目を見開いた。

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