第22話 優しさの情緒・哀しみの情感・怒りの情動
こうした事情を聞かされた
「こん。だからね、事情を読み解けば……
「確かに……
「こん。そうなの……あの時にこぼした言葉は、絶対に私たちと何か関係があるに違いないわ」
「…………でも、知らない方がいいことだってあるよ。だってね、話さないっていうのはさ、何かしらの理由があってのこと。もしかしたら、知ることで
「こん。そうね……
瑞獣として蘇った以上、先代の真意を知りたいと強く願う。その強い意志は、
「だから、お願い! どうやって
「そんな風に言われても、その輝きを見たのは一度きりだからね。…………いや? 今日の出来事も含めると、二度目かな」
「こん。二度目?」
「そうだよ、確か……黒猫を浄化した時だったかな?」
浄化の力によって黒猫を天へと帰した瞬間――、不思議な輝きが
「こん。いまの話、もっと詳しく教えてくれないかしら。出来れば、一度目に魅せた
「うん、分かったよ。あんまり話したくないけど、
過去を切なそうに想い馳せる
一度目に魅せた、約束された導きの光。
それは幼い頃、朝早く琵琶湖の周辺を散歩していた時のこと。白髭神社の近くを通りかかった時、何やら道路に横たわる小さな狐を目撃する。その動物は何度も車に撥ねられ、見るも無残な変わり果てた姿。
優しく抱きしめ安否を気にするも、状況から判断して既に息を引き取っていた。これに心を痛める
――と、同時に溢れ出る心の想い。
『くっ…………なぜ誰も助けない、なぜ見て見ぬふりをする、人間だけが一番偉いのか! そんな愛のない世界など、崩壊すればいい――!!』
それは悲しみではなく、「
この憎悪に身をまかせていると、やがて掌からは
こうして輝きを帯びた亡骸は、跡形もなく空の彼方へ消えていったという……。
「こん。もしかして……
「全ての想い?」
従って、何かの拍子に全ての心情が一致していた可能性がある。これにより、
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