第20話 運命の赤い糸
血盟の契約というものは、一度儀式を行えば無効にすることは難しい。ゆえに、二重の
「こん。確かにね、
「二つの事情?」
「こん。その一つはね、先代が亡くなれば、縛りは無効となり解除されるの。だからね、一度結んだ血盟であっても断ち切ることは可能なの。といっても、私達に自由なんてものは存在しないけど」
「なるほどね、それが理由で再び主と契約ができたんだ。というよりも、
「こん。
「意味合いが違う?」
現代社会において、就労を行っていれば少なからず上下関係は存在する。同じように、
「こん。本来ならばね、契約によって忠誠を誓わなくてはいけない。けど、私達と那岐さまは、すでに結ばれた間柄だったのよ」
「それって、
姉妹達と
「こん。そうね、二つ目の事情は
「質問? 別に構わないよ」
「こん。じゃあ、単刀直入に聞くけどね。
「どうって、大切な友達だと思っているよ」
「こん。そういう意味じゃなくてね、なんていうのかな……つまり、九尾の狐って何?」
「えっ、それ僕が答えるよりも、
「こん。そうなんだけどね、どんな存在なのか
「まあ、いいけど。簡単に説明するとね、妖術を使う何千年も生きた瑞獣。イメージとしては、九本の尻尾が生えた狐かな」
「こん。やっぱりね、そんなイメージだと思ったわ」
「どういう意味?」
「こん。じゃあね、さっきの言葉を意識して、私をもう一度よく見てくれるかしら」
「よく見る? 別にいつもと変わりないように思えるけど。耳があって、尻尾があって…………えっ?」
「こん。どうやら気づいたようね」
「どういうこと?
「こん。そうよ、
「だったら何故、尻尾が一つしかないの?」
「こん。それが元々の認識違い。九尾は尻尾の多さじゃなくて、
「ということは、君たちの仲間が他にもいるってことだよね」
「こん。正解よ、私の質問した理由がね、二つ目の事情。
こうした意味深な言葉を話す
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