第10話 どんな未来だって切り開く
掌を合わせ念じれば、どんな未来だって切り開くというもの。まさに、時を駆け抜けるようなお導きである。そして、ここの神社が人気なのはこれだけじゃない。むしろ、こちらの方が本命ではないかと思わせる。
それは見る者の心を魅了するほどの大鳥居。琵琶湖の
「……ていうか、五円玉ってあったかなぁ?」
財布を取り出し賽銭に使うお金を探す
「五十円かぁ……まあ、別にいいよね」
願いは気持ちがこもっていれば十分。
「よし! じゃあ、頼んだよ」
チリン…………。チリン…………。
まるでその音色は、心の想いを呼び覚ますかのような優しき響き。そこから共に感じるものは、
「神様、どうかお願いです。もう付き合いたいだなんて贅沢なことは言いません。ですから、せめて
「今でこそ不自由なく暮らしていますが、僕にはこの街へ来るまでの記憶がありません。ですから最初の頃は誰とも打ち解けれず、寂しくてとても辛かった……。そして、これに追い打ちをかけるような不思議な力。周りからは気持ち悪がられ、
切なげな表情を浮かべ、自らの生い立ちを話し出す
「ですが今の僕は一人ではなく、友達のような存在もできました。といっても、あの子達は人ならざるものであり、共に過ごすなんてことは出来ません。そんな中でも、いつも寄り添ってくれていたのは
掌を合わせ深々と頭を下げる
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