第11話 君たちは、かけがえのない心の拠り所
こうして心の想いを祭神へ伝えた
けれども、窺えたのは傷心した姿ではなく誰かを待っている様子。拝殿前の石段へそっと腰を掛け、しばらく対面の大鳥居を眺めていた。
すると――。どこからともなく可愛らしい姉妹が現れ、
ところが、
とはいえ、こんな時間に幼子と待ち合わせなど不謹慎。
「こん。
「ごん。
淡々とした口調と表情で、突然にも呼びかける二人。その
「やっぱり、分かる? じつは、ちょっと学校で色々あってね。それよりも、今まで
顔を覗き込み、気遣う素振りを見せる姉妹。その言葉は聞き取りづらく、片言で話す光景は異国人のよう。からといって、
「こん。
「ごん。そうだぞ、
何の
「
言葉の意味から分かるように、二人の姉妹は人間ではない。確かなことは言えないが、おそらく人に化けた獣の
『こん』と高い声を発する方が、白の衣装を纏う姉の
「こん。
「ごん。
姉の
「いや、今のは冗談で言ったつもりだったんだけど。その……ごめんね、さっきの言葉は訂正するよ。君達は僕にとって、かけがえのない人間以上の存在だよ」
先ほどの言葉を深く反省する
「こん。
「ごん。
さすがは
「
「こん。
「ごん。
「あはは……
深く結ばれた絆は、いつしか信頼へと変わりゆく。そして、彼女達こそ心の
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