第26話 模擬戦のカオスよ

 4限目……。


「よーし。まずは物理で敵を倒したい人と魔法で敵を倒したい人に分かれてくれ!」


 先生の声でみんなが物理か魔法かわかれる。結構迷っている人とか、いたけど分かれたな。

 ライと私は魔法だった。ゴブリン倒すとき弾幕が制御できなかったのがちょっと悔しかったから魔法の方に行った。


「それじゃあそのまま待機していてくれ!」


 ? もしかして合同だったりするのかなー?


 3分後……。


「よし。1年F4組も来たから練習始めるぞー!」


「「「「「「よろしくお願いします!」」」」」」


 この様子だと4限目は合同で武術や魔法を教わるらしい。


「お前F一組だったのか」


 いじわる男子が、私に突っかかってきた。


「あ、見栄っ張り男子」


「見栄っ張りとは何だ! 見栄っ張りはお前だろう! DEX7が出しゃばるな!」


「DEX7じゃないからね!?」


「そういっている奴がDEX7なんだよ!」


「「「ユイさんはそんなに遅くない!」」」


 いじわる男子と言い合っていたら、1年F1組の人たちが否定してくれた! 感謝感謝!


「レルベルナ先生。いったん先に模擬戦行いますか?」


「そうですね。先に模擬戦をしてしまいましょう」


 先生たちが、話あっている声が聞こえた。おっと? 先に模擬戦ですか? やったー!


「先にグル・ズルウェナと、ユイ・アマミズの模擬戦を開始しまーす! みなさん! しっかり離れてください!」


 それを聞いたいじわる男子は、


「模擬戦をさきにやるとは……いい判断だ。すぐに終わらせてやる」


 といった。いったん私は無言になっておこう……。


「それでは……試合……開始!」


 開始の合図が来た。


「おい! まずはお前が一発来いよー!」


 おっ? 本当にいいんですか? ……なら、遠慮なく!


「みんなー! おいでー!」


「ワン!」「ワン!」


「ワン!」


「ワン!」「ワン!」「ワン!」


「ワン!」「ワン!」


「ワン!」「ワン!」「ワン!」


「ワン!」「ニャー♪」「グルキャー!」


「なっ!」


 男子はびっくりしたような声を漏らす。


「ルールー違反だ!!」


 と言ってきた。なので


「テイムしたモンスター連れてきていいって言ってたよねー? 怖じ気ついちゃったのー?」


 と、あおる。そうすると、怒った顔をして私に剣を向けてきた。


「お前を倒せば、モンスターに倒されなくてもいい!」


 といって、私に突っ込んできた。??? 私のSTR覚えてるのかな?


 突かれる寸前で右によけて、首に峰打ちを入れる。


「がっ……」


「し……試合終了! 勝者、ユイ・アマミズー!」


 ……なんかとってもあっけ無かった。……とりあえず男子に「付与、治癒再生」をかける。


「ユイー! やったね! 模擬戦かったよー!」


 ライと一緒にはしゃいでいる最中に、


「まった!」


 と、手下らしき男子が言った。


「俺がお前に模擬戦を今この場で申し立てる!」


 ……は? 


「え? あれを見て申し立てるの?」


 ライがきょとんとする。確かに私も一回耳を疑ったわ。


「いや、俺が申し立てるのはお前の方だ!」


 と、男子がライを指す。


「あー。オッケー! せんせーい! 今始めちゃっていいですかー?」


「な……ま、まあいいですよ……」


 先生。明らかに困惑してる。そりゃあそうだよ。普通模擬戦は学校に入学してから1か月たってから始めるらしいから!


「……で、では、ライ・クローネとグル・チルードの模擬戦を開始します……」


 先生の表情が、固まる。


「秒で終わらせてやる」


 と、子分らしい奴が言う。マギライアが、


「それ! 私のセリフー!」


 という。みんな言うからね?


「それでは……試合……開始!」


 ライが先手を切った。ボルケーノを相手に当てる。……? ボルケーノ?


「ウワアァァァ」


 ちょっとちょっとヤバイヤバイ!!! 男子の体を火炎がどんどん焼いていく。それを見て急いでバケツをひっくり返したような雨を降らせる。


「うわあぁ! 雨だあ!」


「見て! 火が消えてく」


「これも魔法か?」


 と、周りがしゃべっている間に男子の近くに行く。

 そして急いで「付与、治癒再生」をかける。全回復おK!

 しっかりライにはこういわないと……。


「ライ……手加減してあげて……」


「いやー、どんぐらい耐えるかわかんなかったから、とりあえずボルケーノ撃った!」


 いや、「とりあえずボルケーノ撃った!」じゃないのよ!? もしこの子が死んじゃったらどうしたの!?

 あの男子二人は一応保健室に連れていかれた。……片方峰打ちだから大丈夫だと思うんだけどなぁ。


「ライさんは……あの上級魔法撃てる??」


 空のような青いリボンのついたとんがり帽子を深くかぶり、白いリングを腕にはめた格好。チョコレートのようで今のも溶け出しそうな茶髪の少女が、ライに尋ねた。


「うん! 撃てるよ! なんだったら由衣も撃てる!」


「なぜに私!?」


 いや、まあ、マギアで打てるけどもそこ私に振らないでよ!? この子がおもちゃを投げてもらえると思っている子犬の顔に、なり始めているし!


「……そこに関しては分からないなぁ」


 そう言い訳をすると、


「そうですか……」


 と、尻尾が下がったゴールデンレトリバーの顔になった。


 キーンコーンカーン……テンテンテロリン♪


 おいー! なんでここにポケモン〇ンターの効果音が知られてるのー!?

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