第18話 映像と大混乱

 8分後……


『大変!? メニコーンビリーが!』


 私が駆け寄り、付与、治癒再生をかける映像が流れる。5倍速から普通の速さに戻る。


『おいそこのガキ! 早くどけ! そのレアモンスターは俺が狩るんだ!』


『すみません。もうテイムしたので私の子です♪』


 この映像を見ている周りが呆れた顔になる。しょうがないじゃん!? だってこの時ボルーナヴェルベドン知らなかったんだもん!


『お前がテイムしても、モンスターはモンスター。そのレアモンスターは俺が狩るんだよ!』


『逃げて! そいつらは、『ボルーナヴェルベドン』! 急いで離れて!』


 イアさんの声があたりに響く。

 映像の私は、その声を気にしていない様子でボルーナヴェルベドンのお頭に尋ねる。


『どうしてこの子に執着するんですか?』


『分かんないのか? 最近のガキは……』


 私の隣にいるライの顔が、不機嫌になる。


『そいつの落とすドロップ品は高値が付くんだよ! 早くそいつをよこせ!』


『……なんて言いました……?』


 ライ様……ご立腹……周り……映像だとわかっているはずなのに真っ青


『おっと、俺様にケンカを売るのはやめといたほうがいいぞー』


『アハハハハハハ』


『……なんだぁ、ただのクズの集団か』


 周りが、瞬きもせずにその映像をじっと眺める。……なんだか獲物を見張ってる猫みたい。


『お、言ったな? 言ったこと後悔させてやるぜ!』


 その声が響いた後に、映像の私は次元袋から草薙剣を出す。手に持った後、自我が宿ったかのように飛び回る。


「なんだあの剣は!?」


 周りが同時に目を見張る。その中で私は次元袋を取られないようにしっかりと握る。


 そこからは私とライの無双。(正直言って、見てて笑った)

 そして、気づいたらライが特大エレキボールを当ててフィニッシュしていた。

 それをギルド長が確認すると、映像を止める。そして、明かりが戻る。


「あの話は本当だったのか!」


「モンスターを助けようとしていたなんて!」


「あの二人はいったい何者なんだ!」


 などと話していると、


「これで証明ができただろう」


 と、ギルド長が、ラウダーガ・キュルーグに言う。


「ッ……この野郎ー」


「わぁ!?」


 男が私から次元袋を奪い、三種の神器を取り出す。


「手を上げろー。さもなくば殺すぞ!」


 ……やばい! 逃げられる……

 そう思った瞬間。私の頭に電流走る。

 今の状況それは、男が扉の前にいて、逃げようとしているけど、その扉の向こうにいるのは? ……そう


「みんなー! その男の人の足止めしてー!」


「キャンキャンキャン!!!」「ワン」「ワン!」「ワーン!」「ワン!」


「ニャーーー!」「ワン!」「ワン!」「ワン!」「ワン!」


「ワン!」 「ワン!」「クゥン」「ワン!」「ワン!」「ワン!」


「キャァ」「ワン?」「ワン!」「ワーン!」「ワン!」


「ワン!」「ワン!」「ワン!」「ワン!」「ワーン!」「ワン!」


「ニャー」「ワン!」「ワン!」「ワン!」「ワン!」


「ワン!」 「ワン!」「キャン!」「ワン!」「ワン!」「ワン!」


「ワン!」 「キゥァ」「ワン!」「ワン!」


「ワン!」 「ワン!」「ヒャン!」「ワン!」「ワン!」「ワン!」


「うわぁぁーな、なんだ! どけ! 雑魚どもが!」


「ヴヴヴヴヴー……」「ヴヴヴヴー……」「ヴヴー……ワン!」


「ヴヴヴヴヴー……ワン!」「ヴヴヴヴヴー……」


「キャンキャン!」


 うん。明らかにゴールデンレトリバーだけ甘えてる。きみは図体がでかいからね。そっちの方がいいね。

 私は、歩みより飛び蹴りを入れる。


「うぐっ……」


 痛みに悶えているので、その間に次元袋と三種の神器を取り戻す。


「……これで用事はすみましたので、お暇させていただきまーす。失礼しましたー!」


 周りの人がサカバンバスピス顔をしているけど、気にしない。あっ、一つ忘れてた!


「ギルド長さん! 私新しく銭湯始めたので、いつか来てみてくださーい。お待ちしていまーす!」


 その後……


「ただいまー! ちょっとごたついちゃったけど、何とか伝えてきたよー」


「おかえりー!」


「おかえりなさい。随分と早かったですね」


 あ、そっか。私たちからすると遅い方だけど、一般人からすると、早い方だもんね

 そうだ……いったん放牧場作ろう。


 開いている敷地内に芝生を創造。次にフリスビーやボール。しっかりフェンスも設置する。ほかにどんなのを設置したらいいかわからないので、とりあえずこれで終了。

 コーギー達を放つと、みんなが待ってましたといわんばかりに走っていった。でも、ゲーニウォックだけは、私のもとから離れなかった。

 とりあえず、温泉に行く。こんな感じに疲れたら、私の一番の見方は温泉なのだ。

 しっかり温泉で疲れをとる。? なんかゲーニウォックが来た。ってそっち水風呂ー


 ジャポン!


「キャァー♪」


 ……なんか気持ちよさそうだからいいか。

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