第25話紬の来店
この怨みを晴らすまで、死んで溜まるか!
と、怨念が漲る眼差しを万吉へ向けていた。
「安心しなよまあだ、殺さない。」
「明日の陽が登るまでねえ・・・。」
万吉は虫眼鏡を手放しはしなかった。
子供の頃から、アリを焼く為に!
「万きっちゃーん!」
不意に紬の声がしたかと思うと店の中まで入っていた。
「パンプスが欲しいのだけど、赤いの有るかなあ?」
バックヤードまで入りそうな気配がしたので
「いらっしゃーい紬・・・。」
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