第9話秘密のヘッドスライディング
他愛もない口ぶりで親近感を装い再来店を促す話法は礼子の得意技で、純粋な客程、その話法に掛かり次の来店の約束と食事の約束をした。
同伴約束の食事だった。
ちゃっかり同伴にさせて万吉を手玉に取ったかに観えたが・・・。
「世界の牡蠣を食わせる店に行ってみない?」
万吉に提案されて、ついつい嬉しくて、二つ返事をした待ち合わせのJR三宮駅前に30分早く着いて立って居た礼子の礼儀だった。
駅前の南側にはロータリーが有って、客待ちのタクシーが列を作って二重、三重に折り重なって列を作って居た。
そこへ道に迷った軽トラックが運転手がキョロキョロと三ノ宮駅周辺を見上げ進んでいたが、西日が目に入りいきなりくしゃみが出た!反動でアクセルを全開された軽トラックはエンジン回転がマックスに為り、「礼子さん!」
強張った顔の万吉がダッシュして来る?走りながらチラッと左を観た万吉が光速で礼子の位置までヘッドスライディングした?
ガーッ!ドン!ガシャーン!
鉄橋下の県道側から1台の軽トラックが宙を飛んで、礼子目掛けて運転席が地面に着き、御台が覆いかぶさる刹那!
ドン!礼子が飛んだ!一瞬万吉の姿が見えて軽トラックが万吉の上から落ちて来た。が、ここで意識は途切れた。
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