第10話柊紫帆(ひいらぎしほ)の撹乱

柊木紫帆(ひいらぎしほ)は人妻に為って17年目になる。


 日々の買い物で毎日通る路地裏の西陽に晒された、ショーウインドーの日焼けしたスニーカーや短ブーツが、気になるが今はそれを忘れたし、私の生活に一ミリも満たず関係ない事。


 夫の雅一はフランチャイズの居酒屋を経営して42年、家計も安定して子供は娘が2人揃いも揃って高校中退だけども成人後嫁いで行った。


 ウインドーの照り返しがめを差し我に帰った紫帆に微笑み小首を傾げる靴屋の店主は、若い。


 暑かった夏に丸刈りにしたのだろうかなり日が経って均等に伸びていたからマッチ棒みたい・・・。


 と過った脳裏に真新しいスニーカーを履いた紫帆が乾いた校庭を走る。

 ピ

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