SNS 題材 中傷

 現代ではソーシャルネットワーサービスが発達している。

 所謂、SNSだ。やっている人はおおいだろう。俺はSNSでリョン(@ryon_07)と名乗っている。

 いつも何気ない日々の文章や詩を投稿している。

「いいね」やコメントなどもくる。

 特にレンコン(@rencon8877)がいつも、「いいね」やコメントを寄せてくれてる。

 俺はそいつにコメントを返信したり、何気ないやりとりが癒しだった。

 俺はSNS上のサービスで、アカウントの持っていない人向けにメッセージボックスを設けた。

「わたがし」というサービスだ。匿名でメッセージのだ。

 そっちにも投稿した文章や詩にメッセージがくるようなった。

 幸いなことにその殆どが好意的なものばかりだった。

【投稿のお店、いきました!】

【文章すっごく共感します!】

【ありがとうございます】

 などなど。俺はそういうのがうれしくて返信していた。

ある日を堺に「わたがし」に不快なメッセージが来るようになった。

【気取ってんじゃねぇよ】

【あなたの投稿に傷つきました】

【私はあなたを思っていってます。SNSを止めたほうがいいです】

【ってか文章下手】

【どういう生き方してるの?】

 明らかに俺への攻撃こうげきを感じた。「わたがし」を閉じようと思ったが、 応援メッセージが来なくなるのが嫌だった。

 だから少しの間だけ設けていた。嫌がらせをしてくる人が飽きて、送ってこなくなるだろうと思っていた。

 けれど。それは甘かった。

 日に日に誹謗ひぼう中傷ちゅうしょうのメッセージは加速した。

 俺は見るのも嫌になり、ついに「わたがし」を放置した。

 仕事の休憩中に、同僚の久保井くぼいに少し相談してみることにした。

「あのさ。SNSの匿名でメッセージ送れる機能あるじゃん「わたがし」ってやつ。あれに、最近アンチメッセージが来るようになってさ。流石にどうしようかなって思って」

「え?まじ?長田おさだくん

 そんなのくるの?ある意味、すごいよ。熱心な人いるんだね」

 久保井は少し面白そうにしていた。俺はそれが少し不快に思えた。

 それに気づいたのか久保井は「ごめん」と呟く。

「いや。いいんだ。「わたがし」を止めればいいんだけど。続けたいんたがどうしようかなって」

「うーん。ブロック機能があったような。メッセージをブロックすると送ってきた奴のメッセージ受信できなくなるはずだよ」

「そうか。知らなかった。ありがとう」

 俺はすぐに「わたがし」をスマホで開く。自身のアカウントにログインし、未読のメッセージの見出しだけを見る。横から久保井がのぞき込む。

「うわ。マジで大量じゃん」

「だろ。で、見出しだけで中傷ってわかるから。ブロックしてみるね」

 俺は1つ目のメッセージをブロックした。そのメッセージだけが消えるかと思ったら、一気に消える。

 全て同じ人物が送っていたということだろうか。久保井も驚いていた。

「長田くんを誹謗中傷していた人はすべておんなじ人がやってたってことね」

「そういう事だ多分」

「そんなことする人っているんだね。世の中。暇人なのか。頭が可笑しいんじゃない か。それか長田くん。何かやらかした?」

「いや。マジで意味わからない。普通に「今日のできごと」みたいなの投稿していただけだよ。あとは思ったことを言ったりとか」

「どれどれ」

「ほい」

 俺は自身のアカウント@ryon_07の投稿欄を久保井に見せる。久保井は真剣な表情で見ていた。何か深刻なことでもあるのだろうか。

「これ。多分の長田くんのことを一方的に好きなユーザーがいて、そいつじゃないかな。長田くんに彼女がいることが解って、やってきたかもね」

「何だそれ。面倒くさい」

「逆恨みだね。長田くんまだ何かあるようだったら、警察や弁護士に相談したほうがいいよ」

 俺は少しだけ寒気がした。その通り田と思う。久保井に見解通りに思えた。

 俺は改めて久保井に相談してよかったと思った。

 それから俺への誹謗中傷のメッセージが「わたがし」に来なくなった。

 けれど。その代わりレンコン(@rencon8877)からのコメントも全く来なくなった。アカウントを消したのかと思ったら存命していた。

 いつからレンコンからのコメントが来なくなったのか探ってみた。

 それは俺が「わたがし」に来た中傷メッセージをブロックした日からだ。

 俺はSNSからしばらく離れようと決意した。

了 48;30 題材 中傷




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