第78話
月の女神ルーナ、そしてその娘カグヤ、誰も聞くことのできないその短い会話を終え、海賊船ルーナがピナルス星に着陸しようとしている。
その横には海賊船カグヤが寄り添うように航行している。
無事着陸を終えた2隻の船がピナルス司令塔近くにある宇宙船離発着場で制動している。
海賊船ルーナの乗組員が全員総出でロスゴダの捕われていた子供達を出迎えようとしている。
その中に、クロノス星人特有の透き通るような白い肌とルナリアン特有の長いまつ毛を持った一人の青年がいる。
その青年を海賊船カグヤの艦橋から眺めている
「ベレニケ、ルーも立派に育ったわね」
「ありがとう、コノン」
「クロノスで育っただけに肌は白いけど、長いまつ毛は私たちと同じ」
「ええ、そうね。素粒子が飛び交うあの星では、身長もそんなに高くなれないし、肌のメラニン色素も
「ほんと、私たちは淡いブルーだけど、ルーの目は深い青」
「身長は、そんなに高くなれなかったけど、骨格は私たちと同じまま」
「そこは変われないわね、同じ炭化ケイ素骨格」
ベレニケが細長い指で自分の腕に触れながら言った。
ルナリアン。
身長は高く、髪は黄金色、長いまつ毛の下にある瞳は透き通るように青く、肌の色は闇のように黒い。
「ルナリアン、最後の生き残りの一人、これからが楽しみね」
「あ、そうそう、クロウにお礼を言わなければならないわね」
ベレニケは、そう言うと輝く黄金色の長い髪を靡かせ、船長室に向かう、
「コノン、少し休ませて。出航前に起こしてちょうだい」
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