第15話



 ロスゴダ救命艇の中へ入るも、何の存在感も無い。

ウイス、ルー、シラーの三人は用心しながら前方の操縦席へと進んで行く。

操縦席に入ると、そこには誰も居なかったが、


「ウイス」


 ルーが壁面を指差す。


「これは、生命維持装置じゃないか」


 円形で縦長のガラス製水槽が三つ、それぞれにロスゴダ星人が入っていた。


「シラー、船に連絡して救命班を連れて来い」


「了解、ウイス」


 暫くして医務室から救命班がやってくると、救命班は手際良くロスゴダ星人を生命維持装置から出し、ルーナ号の生命維持装置を装着して輸送船に運び出す。


 輸送船からルーナ号へ運び込まれると、慌ただしく医務室に連れて行かれ、処置が施される。


「リンゲルだ」


「早く」


「人工血液をもう2単位、いや3単位で」


「遅いぞ」


「脳波デルタ波からシータ波へ」


「もうすぐだ」


「心音、毎分20から30」


「強心剤中止」


「瞳孔反応確認」


「待っていろ、助けてやる」


「自発呼吸確認」


「脳波シータ波から変化なし」


「どういうことだ」


「レプトンを照射します」


「0.001で、0.001で照射だ」

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