第9話



 カート・ホイール銀河、その一角の、また一角の、さらに小さな点で、宇宙船が集まっている。


「グスク総督、全宇宙船の集結が整いました」


 艦長のベラミが、報告する。


「ベラミ艦長、ピナルスの防衛線の方は大丈夫だろうな」


「はい、総督。コスモ・バトル・シップは全艦出撃に招集しましたが、星には戦闘機を70%残してきております。それに、まず侵略者がやってきたとしても、戦闘機が出撃するまでもなく、我が星の地対空素粒子砲で壊滅できます」


「油断はしていないだろうな」


「はい、勿論です」


「輸送船はどうかな?」


「はい、基地建設資材、および地対空素粒子法を三門、空対空素粒子砲衛星を5機を揃えております」


「安心は禁物だが、それだけあれば防空圏は守れるであろう」


「はい、奴等に死守させます」


「そうだ。星に残っているロスゴダ連中に死守させないとな」


「はい、そうさせます」


「奴隷輸送船は、何隻だ?」


「1隻です」


「大きさは?」


「ピナルス星で一番大きな船を用意させましたが?」


「それで良い、ガキどもを全員、ピナルスに連れて帰るも狭ければ詰め込めば良い」


「はい、ロスゴダのガキどもの作業場も既に用意させております」


「何をやらせるつもりだ?」


「河川の護岸工事です」


「良かろう、食事だけはしっかりと与えろ。死なれると、ロスゴダに残った親どもの反感が爆発すれば、騒動だ」


「はい、承知しております」


「では、ベラミ艦長、全艦出撃準備だ、準備出来次第微速前進で戦闘陣を作りながら航行だ」


「了解、全艦微速前進、布陣、編隊は攻撃態勢へ」


「進路はワームホールで航行するんだ」


「了解、全艦、ワームホールへ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る