第3話



 カート・ホイール銀河の武器商人グスクへ、艦長のベラミが報告する、


「ジゼルが殺されました」


 と。


 その報告を聞いていた総督グスクが、薄ら笑いを浮かべながら言う、


「ふふふ、死んで当然だ。あの程度の科学力と、お抱えは幼稚な操縦技術のパイロットだ。クロウに勝てる訳が無い。急にのしあがってきた成り上がり商人の傲慢さと言うべき象徴だ」


「では?」


「イーグル・アイ・ネブラへ飛ぼう」


「どうしますか?」


「クロウには知られていないが、あそこの白色矮星群の中に、奴らの星がある。戦闘能力を失った星なら好都合。星を侵略し、植民地にして、武器商人の星ではなく、武器工場の星として、女や老人、星に残った兵士どもを働かせば良い」


「クロウに知られる前に」


「そうだ、戦えば優勢な我らでも、厄介な連中であることは間違いない。縄張りを増やすには時期を失ってはいけない。早々にロスゴダを侵略し、兵器を設置、地上からも攻撃できるように基地を建設する」


「その程度であれば総督は一度星に帰り、あとは我々にお任せくだされば良いかと」


「馬鹿者が、敵を侮ればどういうことになるか、既にジゼルが見本を見せてくれているにもかかわらず、分からぬのか」


「失礼しました。指揮指導、お願いします」


「後続部隊を招集、すぐに連絡を取れ。ただし後続部隊には戦略兵器を積んだ輸送船も用意させろ」


「では、現場での建設作業員も?」


「その通りだ。一気に攻め落として、武器工場の建設と共に前線基地を設け、ロスゴダの星人に死守させる」


「ご命令、承りました。早急に部隊を整えます」

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