いけいけ勇者様65

最上司叉

第1話

勇者は腕の治療に城にきていた。


「…」


王様のお抱え魔法使いに回復魔法をかけてもらっている。


「…ふぅ、今日はここまでです」


「いつもありがとう」


「いえいえ」


「だいぶ良くなった」


「無茶はしないでください」


「あぁ」


腕の骨は粉々に砕けていたが腕を動かせるまでに回復してきた。


それにしても男と戦っていた時魔王の魔法が飛んでこなかったら正直やばかった。


世の中にはまだまだ強者がいる。


魔王はあの後気を失い2日後に目を覚ました。


勇者が魔王にキスしたことは覚えていないみたいだ。


嬉しいような残念なような複雑な気持ちだ。


そろそろ腕のリハビリを始めないといけない。


勇者は剣を握り素振りする。


「おっいい感じだ」


「やっておるのう」


ドラゴンの女が話しかけてきた。


「あぁ」


「もう大丈夫そうじゃのう」


「あぁありがとう」


「どれ、相手になるかのう」


「ありがたい、いくぞ!」


【カァン】


【キィン】


魔王はその様子を眺めていた。


勇者の顔を見て魔王はふと思い出した。


そういえばあの時私と勇者はキスしたような。


記憶は定かではないがうっすらと覚えている。


本当にしたのだろうか?


魔王は自分の唇を触る。


「魔王どうした?」


その時勇者が魔王に話しかけた。


「!!」


魔王は驚き振り返る。


「口どうかしたのか?」


「う…うん…なんでもない」


「そうか」


「うん…」


勇者は少し困り魔王に言った。


「久しぶりに魔物退治に行くか」


「うん!」


いつもの魔王に戻ったと勇者は思っていた。


魔王の心の変化に気づかないまま。


【キィェェ】


「魔王行ったぞ!」


「…」


「魔王?!」


「えっ?あっ…うん」


魔王は呪文を唱え魔物を倒した。


「魔王大丈夫か?」


「うん…」


「どうした?ぼーっとして」


「なんでもないよ」


「そうか…」


勇者は魔王が変だということに気づいたが魔王は話してくれない。


勇者は自分が何かやらかしたかと考え始めたが思い当たることは無い。


あの時のキス以外は。


勇者はあの時のキスを魔王が覚えていて嫌われたのではないだろうかといろいろ考え始めた。


魔王は勇者のことを意識し始めていた。


2人はどうなる?


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