第3話  テンプレな展開

 だんだん思い出してきたぞ~~

 俺の名前は、門田零かどたれい日本男児の花ヶ咲高校二年生だ。

 陰キャでもないけど、リア充してる訳でもない俺は、帰宅部で将来は、ゲームソフトを作る会社に入るために勉強とゲームに明け暮れる毎日だった。

 ――――ちょっと待て……。

 このテンプレな展開。俺はゲームの世界の中にでも転移して来たのか!?

 いや……俺の知ってるゲームにアルデバランなんて国はない。知らないだけか?


 俺がポケッとしていたら、リリエラ姫の方から声をかけてくれた。


「レイ様、命の恩人です。城にいらしてください。父に紹介しますわ」


 俺は、テンプレな展開に戸惑いつつ、他にあてがる訳でも無いので、姫に着いて行くことにした。


 姫が言うにはこの世界は、大多数の人が光の神を崇めていて、神殿の力がすごく大きいらしい。

 待てよ、そんなライトノベルを昔読んだ記憶がーー!!


 あった!!


 俺が、中学の時に盲腸で入院してた時に、母ちゃんの持って来た昔のライトノベル。

 タイトルは――――『光の国より愛をこめて』

 今時の、ライトノベルには無い昭和の漫画みたいなタイトルで、姫君の身分差恋愛小説だと思ったが……?


 なんで、俺がそんな世界に転移するんだよ?


 アルデバランの王城は、素晴らしく壮麗であった。ディズニーランドのシンデレラ城も真っ青だ。


 俺は「あれ?」と思った。


「なんで、姫のリリエラさんがそんな恰好をして、こんな荒れ地を歩いてるんだ?」


「こら!!姫になんたる無礼を!!」


「良いのですよ、エリクト。わたくし、内緒である動物を育ててるのです。まだ幼いので時々様子を見に行っているのですわ」


 やがて王の間のに通されて、俺は愕然とする。


 王座に座っていたのは、男の王だったのだ。


 俺の知ってる話の時代だと王は女の話だ。女王のはずだった。

 言葉口調は厳しいが、優しいエステラ女王だったはず!!??

 そもそも、リリエラなんて姫がいたっけ?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る