エピローグ

 数年後。


 最南端、四大国アイオーンの謁見の間にて。


 謁見の間の四隅に息を潜める使用人から、2階の絢爛豪華なる着飾りの貴人に至るまで、全ての者の視線は一人の男に注がれていた。


「我が国、アイオーンに忠誠を誓いし勇者よ、先代のなし得なかった魔王を討伐することを誓うか」


 褐色肌に から鎖骨に掛けて、紅き鱗の連なった凛々しき青年は、徐に目を開けながら顔を上げる。


「はい……忌々しい魔王を打ち滅ぼし、我が国に、一生の忠誠を捧げます!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る