　世界全土に致死に至るであろう多量の毒を含んだ魔素が、大気中に分散されていく事を危惧した私たちは、我が国民たちを充分に居住できる地下都市を創設する事を計画。

　しかし、制作段階ではあり得なかった筈の大きな誤算と、魔物の侵攻に阻まれてしまい、儚い希望は敢え無く潰えてしまった。

　だが、まだだ。

　まだきっと、他にも道はある。

　そう自らを欺くように言い聞かせ、我々は次なる方法を模索していく。

　魔法などというものに縛られぬ世界に、遍く人々が畏怖されし魔物にならぬように…。

　龍たちに命の危機を晒されぬように……。

　だが、希望などはありはしない。

　多大なる犠牲を払わなくては、相応の対価を手にすることは決してできないのだから。

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