一般性癖TS転生少女、真白 光は絶望的なまでにすくわれたい
幼なじみくんチョコレート、自分が情けないところを見せたせいで、付き合ってもいない幼なじみの少女に別れ話を切り出されると誤解している(カカオ控えめ65%)味
幼なじみくんチョコレート、自分が情けないところを見せたせいで、付き合ってもいない幼なじみの少女に別れ話を切り出されると誤解している(カカオ控えめ65%)味
すっかり平和になってからやってきた智洋くんのことを見つめると、うぶな少年は私から視線を逸らした。可愛い幼なじみと見つめ合うのが恥ずかしいから……なんて理由ではなく、単純に合わせる顔がないからだね。大方、光ちゃんに逃がされて、助けられなかった僕には光ちゃんと一緒にいる資格なんてない……とか考えているのだろう。ついでに、智洋くんを見る私の目が、役立たずのダメなやつを見るものだと被害妄想を膨らませていそうだ。私はどちらかと言うと、智洋くんの行動を高く評価しているのだけどね。
まあでも実際に、自分がもし逆の立場だったらと想像したら、そう考えるのも無理はないと納得出来てしまう。今は美保さんな彼女が、私を助けるためにヤカラたちについて行ったなんて考えたら、それだけで脳が破壊されそうだ。未だに破壊されきっておらず、原型を留めている智洋くんの脳みそはさすがだと言うしかないな。これまで破壊と再生を繰り返してきただけあって、普通なら致命傷なダメージでも活動可能だ。
仕方がないことだよ。むしろあそこで智洋くんが食い下がったら、もっと酷いことになっていたかもしれないし、智洋くんが将太くんを呼んでくれたからこそ私は安全にたすかることが出来た。それは恥じることではなく、誇ってもいいことだ。しっかり自分の身の程をわきまえて、自分に出来る最高のことをした。それでいいじゃないか。
そんなことを言って智洋くんを慰めてみても、少年の表情は暗いままだ。私は本心から言っているのだが、どうにも慰めの言葉としか思えないらしい。光ちゃんの言葉を信じられないなんて、随分と偉くなったな、智洋くんのくせに。
「……竹俣、気持ちはわかるが、お前の行動は正解だったと俺は思う。確かに、お前が考えている通り、俺なら逃げないで戦おうとした。でもさ、どんだけ鍛えてても、どんだけ強くても、あんなに沢山いたら勝てねえんだよ。それでも俺はたぶん戦う。んで、ボコボコにリンチされる。そうなったら真白も助からなかっただろうし、仮に助かったとしても、その時はただ俺が殴られただけになる。そうだとわかっていても戦うのは、男としてのプライドが逃げるのを邪魔するんだ」
あまり喋るのが得意ではない癖に、頑張って慰めようとして、結果慰めてるのか死体撃ちしているのかわからないことを言う将太くん。うんうん、逃げられるのも強さだって言いたいんだね。だから智洋くんは間違っていなかったと。……あのさあ、慰めるの下手くそってよく言われない?……言われないのか。驚いたな。今の智洋くんにとって逃げたことを褒められるのは最大限の皮肉になるんだよ。
もっと人の慰め方を練習しなさいっ!悲しんでいる人に頼られる人間になりなさいっ!と将太くんを叱って、伝え方はあれだけど将太くんの言う通りだよ、智洋くんが無事でよかったと伝えると、智洋くんは見ていて心がウキウキするくらい顔をクシャッと歪めた。やっぱり光、智洋くんの色んな表情見るの好きだな。もっとたくさん見せてね。
表面上智洋くんを慰めているように振る舞いつつ、実際は誰よりも智洋くんの心の柔らかい部分を踏みにじる快感。やめられないね。こんな酷いことをしているのに、傍から見たら自分が危ない目にあった直後でも幼なじみの心を案じる優しい子だし、智洋くんから見ても気丈に健気に振る舞う幼なじみだ。その言葉が刺さっても、何より表に出されている心配のせいで、やめてと拒絶することも出来ない。かわいいね。
私にとっては嬉しいことに、私と智洋くんのやり取りを見た将太くんも複雑そうな顔をするし、いいことだらけだ。1時はどうなることかと心配だったが、全て丸く納まったから万事よしっ!今回のポイントは偶然近くにいた将太くん達でした。刃物で脅すコースにしなくて本当に良かった。貞操を喪いそうになって命拾いしたぜ。
あのヤカラたち、この辺じゃそこそこ有名だから気をつけろよと言って、将太くんが去っていく。ジャージたちも一緒で、これから仲良くゲームセンターに行くのだとか。屈強で汗臭いにもかかわらず、男に囲まれて怖い思いをしたばかりだから自分たちはあまり近付かない方がいいだろうと気を利かせてくれた彼らは紳士であった。誰一人智洋くんを馬鹿にしたりしなかったし、智洋くんを慰めるために気を利かせてもくれた。空回りだったけどね。……うん、いいヤツらだったので、今度のお礼は少しグレードアップしておこう。
「……ねぇ、ひろちゃん。私達も帰ろうか」
さて、二人っきりになったところで、未だに自責の念に陥っている智洋くんを呼ぶ。今から楽しくおデート!という気分ではないだろうから、今日は楽しい時間はもう終わり。一緒に帰って、たっぷり寝て、ゆっくりおやすみ。明日になれば、もう少し頭の中も整理出来て、冷静に自己評価を下せるようになるだろう。
そうすれば智洋くんだってここまで気に病むことはなくなるだろうし、それがいい。そうするべきだ。……なぁんて、頭ではわかっていても、少し物足りなく思ってしまうところが私の悪いところ。せっかく智洋くんが美味しそうなんだから、もっと美味しく味わらないともったいないじゃない?人のクズめ。やっぱり転生者ってろくなもんじゃないな。
普通に話せる気分じゃない智洋くんと、せっかくだし都合がいいので同じ気分を演じている私。そんな二人が並んで歩いていて、会話が弾むはずもなく、流れるのは無言だけ。私は結構好きだけどね。大切な人との言葉がない時間。まあ、この無言は好きな無言とは違うのだが。
「ねえ、ひろちゃん。ちょっと今から、うちに寄っていかない?話したいことが、大切な話があるの」
繰り返しにはなるが、智洋くんにとって今の状況は、自分の力で大切な幼なじみを守ることが出来ず、偶然他の人のおかげで助かった惨めな状況である。そこでこんな話の切り出し方をされたら、智洋くんがどんな勘違いをするか。そう、自分がダメダメだから別れを切り出されるんじゃないかって不安になるのだ。別れるも何も、最初からお付き合いなんてしていないのにね。おもしろ。
と言うより、そんな話になるのならわざわざ私のお家に連れ込むなんてことはせず、どこか適当なカフェにでも入ってする。別れようとしている相手と二人っきりになるなんて怖いもんね。だから客観的に見れば智洋くんの想像ははただの杞憂なのだが、それが分かればこんなに辛そうな顔はしないのだ。かわいいね。
まったく意味の無い心配をしながら苦しそうな顔をする智洋くんの表情に気が付いていない振りをしながら横目で堪能しつつ、智洋くんの手首を掴んでおうちに連れ込む。今日、お父さん返ってくるの遅いんだ……。まあママ様は普通にいるし、妹ちゃんもいるから二人っきりなんかじゃないんだけどね。専業主婦のママ様がいる時点で、我が家で色っぽい空気になるのは無理がある。猫耳つけて抱きしめながらごろにゃーんしてた美保さん?あれは例外だよ。
ただいまと、ちょっとお部屋にいるけど気にしないでねをママ様に伝えて、智洋くんを部屋に連れ込む。色っぽい空気になるのは無理と言ったが、予め予定を伝えておけばママ様って変な声が聞こえても聞こえないふりしてくれそうだよね。パパ上は多分脳みそが理解を拒絶して発狂する。妹ちゃんははわわって赤くなりながら壁に耳を当てる。ムッツリさんめ。
そう考えると案外おうちでそういうことも出来そうだなと考えてなんとも言えない気持ちになりつつ、諸々のストレスでちょっと感情がバグりつつある智洋くんを見てやさしい気持ちになる。悪い考えばかりが頭をめぐって泣きそうだね。かわいいね。でも大丈夫、もっと頭が混乱する事実をプレゼントしてあげるからね。
「あのね、ひろちゃん。大切な話のことなんだけど、ちょっと聞いてもらってもいいかな?」
お客様な智洋くんをもてなすためにクッションを渡して、床におすわりするように伝える。えっ、いらない?正座するから大丈夫?そっか。床はちゃんと掃除してるから気にせず正座してね。
智洋くんがクッションを使わないのに私だけ優雅にクッションを使うのもちょっと気まずいし、ベッドに座るのはミニなスカートネックになるので、智洋くんの正面に割座で座る。割座って言うのは、ぺたん座りとか女の子座りって呼ばれてるやつだね。前世じゃ絶対できなかった座り方だ。
「今日、怖い人たちに連れていかれそうになったでしょ?その時ね、なんだかとてもこわかったの。まだ早いからあとまで取っておこうと思っていたハジメテが、こんなところで終わっちゃうのかなって思ったら、すごくこわかった」
最後のお楽しみに残しておいたショートケーキのイチゴが、ちょっと目を逸らした隙に横から掠め取られかけたくらいこわかった。うん、嘘じゃないんだよ。ただ一般的な少女と違って、私にとっての貞操はあくまで道具のひとつだからね。最近の若者は貞操観念が歪んでるな。
私の言葉を聞いて、やっぱり苦しそうに眉を寄せた智洋くん。そんな彼が謝ろうとするよりも先に話を再開して、続けて伝えるのはたった一度だけのハジメテは自分の納得いく形で済ませたいということ。
「だからね、ひろちゃん、お願いがあるの。私のことを、光のことを辱めてほしいの」
座っている智洋くんのところへ擦り寄って、そのまま押し倒す。力が弱い私に、小さい私に押し倒された智洋くんは、きっと処理落ちしてしまっているのだろう。おもしろいくらいに反応が薄い。
智洋くんの上にかぶさって、私の髪が智洋くんにこぼれる。かわいいかわいい幼なじみからの、私を襲って発言。恋人になるのことすら焦らしてきた幼なじみからのOKサイン。そんなものを受けて、正気を保っていられる思春期男子がいるだろうか。普通に考えて、いないだろう。
「……ダメ、だよ。そんな理由で自分を粗末に扱っちゃ」
普通に考えれば、いない。でもあいにく私の智洋くんは普通じゃないのである。生まれた時から私に育てられた自慢のおやつだ。だからこそ、断ることが出来る。そういう子だからこそ、私は智洋くんを気に入っている。
「真白さんは、光ちゃんはすごいんだ。そんなすごい光ちゃんは、自棄になっちゃダメなんだ。あんな奴らのせいで光ちゃんがおかしくなっちゃうなんて、あっちゃいけないんだ」
やめてっ!僕の光ちゃんはそんなことする子じゃないっ!と解釈違いを起こしたオタクみたいなことを言う智洋くん。みたい、というかそのままだな。智洋くんは他の誰よりも私に価値を感じているからこそ、厄介オタクみたいなことを言うし、この誘いを断る。
「……そっか。でもね、ひろちゃん。私だって、誰でもいいわけじゃないけど、ひろちゃんじゃなくてもいいの。納得できる相手なら、それがあなたである必要はない。……それでもひろちゃんは私を拒絶する?」
私は、私自身にしっかりと価値を見いだしてくれている人であれば、私を損ねる人として妥協できる。ママ様でも、妹ちゃんでも、美保さんでもいい。……女の子ばっかだな。まあ、大事なのは智洋くんじゃなくてもいいということだ。そもそも私は別に、性的な意味で犯されたいわけではないからね。女の子でもいいんだよ。
「……僕は、自分が光ちゃんに釣り合うとは思えない。だから光ちゃんにそういうことはできない。だから、ごめん……僕が立派になるまで、待っていてほしい」
わーっ!光ちゃんが振られたー!こんなにはしたなくお誘いして、振られたーっ!こうなることはわかってたけどおもしろいな。智洋くんの意志の強さと、そのこだわりにかんぱいだ。据え膳食わないとか男としてのプライドは無いのか?……ないから逃げたんだったね。ごめんね。
「……いいよ。でも、私がおかしくなる前に、ちゃんと迎えに来てね。そうじゃないと、他の人のところに行っちゃうんだから」
美保さんのところとか、ママ様のところとか。でもなぁ、ママ様も美保さんも、きっと私の本性を知ったら傷つくもんなぁ。……智洋くんは傷付けていいのかって?男の子でしょ、我慢しなさい。
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>>辱めてほしいの
このセリフ吐かせるためにこの小説を書いた(╹◡╹)マンゾク
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