一般性癖TS転生少女、真白 光は絶望的なまでにすくわれたい
美少女になって未来ある少年たちの性癖を取り返しのつかないくらいぐちゃぐちゃにしたい。そんなまともな人間なら誰しも持っている極めて一般的な欲求
美少女になって未来ある少年たちの性癖を取り返しのつかないくらいぐちゃぐちゃにしたい。そんなまともな人間なら誰しも持っている極めて一般的な欲求
さて、甲斐甲斐しく妹ちゃんや智洋くんの相手をしている私ではあるが、だからといって何もそれしかしていないわけではない。うちのママ様が私のこと大好きで、やりたいことがあったらなんでも言ってねと言ってくれていることに甘えて、二つばかり習い事もさせてもらっている。ありがとうね、ママ様。パパ上もお金ありがとう。
その習い事というのが、ピアノのレッスンと、カラテである。前者は私のような美少女であれば教養として修めておくべきものだという偏見で、もう片方は将来的な自衛のためだ。ママ様そっくりの美人になること間違いなしな私が、なんの心得もなくほっつき歩いていたら乱暴してくださいと言っているようなものである。少なくとも軟派な野郎の腕を逆にひねりあげてやるくらいはできなくてはならない。どうでもいいけど武術少女の負けシチュっていいよね。本当にどうでもいいけど。
自分の身と、妹ちゃんの身と、ママ様のことと、あとついでに智洋くんのことを守れるようになる。そんな高尚な思いを胸に自らを鍛える私は、メキメキ頭角を現した。道場でも話題のカラテ美少女だね。同い歳以上の少年たちをちょめっ!と負かせて、いたいけな少年たちに敗北の悦びを刻み込むのが最近のお仕事だ。あーあ、小柄な美少女に技で屈服させられないと興奮出来なくなっちゃうね。可哀想に。
「真白!今日こそお前に勝ってやる!」
言葉では悔しそうにしながらも、その内心に隠しきれない興奮の色が見える少年たちをえいやと転ばしながら、いい汗をかいていると、一人の少年がキャンキャン吠えながら私に勝負を挑んでくる。勝ってやる!なんて言いながらも、内心には本人すら気が付いていない敗北欲求を秘めたかわいい少年だ。彼の名前は将太くん。私がここに来るまでは同世代で一番目立っていたのに、すっかり落ち目の少年である。
そんな将太くんは私を倒せば前のような栄光を取り戻せる!と信じて頑張っているのだ。空手少年とカラテ少女なら、少女の方が目立つのは当然だろうに、そのことに気がついていないなんてかわいそかわいいね。私に勝ったところで君の望むものは手に入らないというのに。
そんなかわいい理由で私のことをライバル視している少年をちょちょいと捻って、敗北の味に親しませる。勝てなくて悔しいね。悔しいのに、仕方がないって諦めちゃいそうで辛いね。瞳の奥がドロドロだ。私のドブ臭い内面には劣るがね。
もう一回!もう一回!と子犬のようにお
いっしょに遊ぼ♪とやってくる子犬を何度も転ばせつつ、お
そんな理由で、負け犬わんこ達の相手を程々で切り上げて、今度は約束された敗北の時間だ。お兄様お姉様やおじ様たちに優しくボコボコにされて、自分の未熟さを知る。転生者故に心がドブで、ママ様の娘故に体もそれほど育たなそうな私は、余った技に全てをかけるしかない。
たくさん汗をかいて、肌着がベチャベチャになった頃に、カラテの稽古は終わる。おじ様達から塩分補給のタブレットをもらってぺろぺろしながらママ様が運転するお迎えの車を待つ。道場の近くに住んでいる将太くんなんかは、次こそは負けないからなー!なんて言ってとっとと去ってしまったので、私が車に乗る頃には道場に人はほとんど残っていない。
師範におててを振ってバイバイして、そのまま車に乗り込めば、お疲れ様と笑顔で迎えてくれるママ様と、ママ様にそっくりな笑顔の妹ちゃん。この子がわざわざ着いてくる必要はないのだが、お姉ちゃんにおかえりするー!と言っていつも着いてきちゃうらしい。純粋にかわいいね。ママ様そっくりの天使みたいな言動に、私も思わず胸がきゅんだ。どうでもいいけど、ママ様や妹ちゃんの容姿を褒めると、ほとんどの場合それはそのまま私に帰ってくるのだ。酷いナルシストだな。妥当か。
かわいい妹ちゃんにただいまー!と言いながらぎゅっと抱きついて、お姉ちゃんあせくさーい!とちょっと嫌そうにされる。まあ、本当に嫌がっていたら、そもそもわざわざ着いてこないだろうから、きっとこのやり取りを楽しんでいるだけだろうな。もし何かの間違いで違ったとしたら、私は金輪際カラテ終わりに抱きつくのを止める。天使から嫌われたらと思うと、考えただけで恐ろしいからね。
幼女とキャッキャッしながらお家へ帰れば、すぐに晩御飯の時間だ。美味しい美味しいとママ様を褒めながらいただいて、食べ終わったらしっかり食器をうるかす。幼いながらに行き届いた細やかな気遣い、やはり転生者だな。全ての親の第一子は転生者であるべきなのではなかろうか。いや、普通に考えて愛するわが子の中身が知らないおじさんとか嫌だな。話は変わるけどうるかすって方言なんだってね。私は知らなかった。
パパ上が茶碗を洗っているうちに母娘三人でお風呂に入り、ちょっとこそばゆいのを我慢しながらママ様に体を洗ってもらう。マシュマロぷに肌は繊細だから、タオルで洗うとイタタタなのだ。よって、安定の手洗いである。摩擦レスだね。
タオルが使えない上に肩の関節が柔らかくないので、背中におててが届かないママ様のお背中をお流しして、私ほどではないがまだまだもちもちな感触に驚く。まだまだピッチピチだね。これなら家族が増えるのも遠くないかもしれない。……まあ、妹ちゃんがべったりだからなかなか時間は取れないかもだけどね。
ちゃぷんと湯船に浸かり、ママ様のお顔がほんのり色付く頃に上がる。色素が薄いからか、ママ様は血行が良くなるとすぐにわかるのだ。パパ上が劣性遺伝ということや、妹ちゃんも同じことを踏まえれば、あまり自覚は無いが私も同様なのだろう。顔が赤くなる繋がりの余談だが、ママ様はとてもお酒に弱いぞ。ちょっと飲んだだけでふにゃふにゃのテロテロになってしまうので、おうちの外で飲むことはパパ上に禁止されている。束縛系だね。
私も将来はお酒に気をつけようと思いつつ、同時に恋人は大五郎♡系アル中美少女の可能性も捨てきれないな、と思いながら、パパ上の酒瓶コレクションを眺める。うんうん、パパ上はちびちびちゃんぽんするのが好きなんだね。減りを見たら一目瞭然だ。
「これはまだ光には早いから、向こうでジュースを飲もうか」
酒瓶を観察していたら、ちょっと不安そうにやってきたパパ上に連れていかれて、冷蔵庫でジュースを飲ませてもらう。いけないんだー、夜はジュース飲んじゃダメなんだよ!と言ってみると、光はいつもいい子だからちょっとくらい大丈夫。とパパ上は優しい顔で私を撫でた。
「えへへっ、それじゃあこれは、光とパパだけの秘密だね?」
いい子と褒められたことと、優しく撫でられたことで無性に嬉しくなってしまい、パパ上へのちゅき!が溢れてしまいそうになったので、誤魔化すためににまっと笑いながら囁く。悪いなパパ上、私はそんな簡単にコロッと落ちるような安い娘じゃな……りんごじゅーすおいしい。
高いりんごジュースに落とされ、夢中になってクピクピ飲んでいたらすぐに飲みきってしまった。無言で空のコップを持ちながら物欲しそうにパパ上を見つめていると、今日はもう終わりとキッパリ断られる。私の天使フェイスでのオネダリをここまで無下にできるなんて、パパ上は只者じゃないな。考えてみたらママ様の旦那さんだもんね、耐性くらいついてるか。
りんごジュースのことがママ様にバレないように、しっかりと歯磨きをしてから宿題とピアノの自己練習をして、ママ様が妹ちゃんと待っている寝室に向かう。夜遅い時間……8時か、そこまで遅くないな。あまり遅くない時間にもかかわらずピアノを弾けるのは、両親が買ってくれたピアノが電子ピアノだからだね。イヤホンをぶっ刺すことで、自分だけでピアノを楽しめるスグレモノ。
ぬくぬくふわふわなお布団に入って、少し離れたところにママ様の体温を感じながら眠りにつく。直接感じるのは、妹ちゃんに譲る。私はお姉ちゃんだからね。あと、慈母の笑みを浮かべるママ様と妹ちゃんの寝顔が眼福なのもある。美人は3日で飽きると言うが、ママ様のお顔は不思議と飽きないな。天使だからか?
疲れていたママ様が眠ってしまったのを見て、私も本格的に眠りにつく。気持ちとしては9時なんてまだまだこれから活動を始める時間だがこの体はまだ子供なのだ。程々で眠っておかないと、健やかな生育に響く。ちなみに、妹ちゃんを寝かしつけたあとでママ様が起きている確率は半分くらいだ。私が習い事に行っている日だと、だいたい疲れて眠ってしまうね。
眠らなかった時は、そこからママ様とパパ上の夫婦の時間が始まる。妹ちゃんがたまに起きちゃうから、エッチなことはしていないけどね。だいたい、私と妹ちゃん、子供たちがどんな様子だったのかとか、そんな話をしてばかりだ。いい両親だね。
そしてこの夫婦は、お互いに隠し事はしないって約束しているようなので、内緒だよと言ってもこっそり共有していたりする。将来的にはどうなるかわからないけれど、幼児の間はプライバシーよりも正確な共有を優先しているのだろうね。
だからね、パパ。光は知っているんだよ。秘密って約束したのに、ママに喋っちゃうこと。
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種まきはこんなもんでええじゃろ(╹◡╹)
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