第7話 バトルフェイズ その1
ピリピリとした空気を俺は漂わせる。
目の前には、片手に本を、片手に聖剣を持つ謎の人物、モルドレットが少し微笑みながら、静止している。
しかし、ヒスイも何故なのか、森の奥の方へ潜って行ったが何をしに行ったのか…
でも、なぜか、裏切ることはないだろうと、心の奥底で信頼していた。不思議な感覚だ。
「君、名前はなんて言うんだい?」
「お、俺か?ブランチだ。ブランチメオリマス。」
「そう。僕の名前はモルドレッド。本名じゃあないし、覚えてもらう必要はな
い。」
「は、はあ」
その時、若干ながらも油断をしたのだろうか。気づいた時にはモルドレットは手を伸ばせばすぐに届く距離にまで詰められていた。
あ、死ぬかも…と考えた時には、俺は咄嗟に頭を傾けて聖剣の攻撃を避けていた。
「良い反射速度だ。」
と言うと、すぐに剣の斬撃は斜めから襲いかかってくる。
こんなに大振りでは、隙も出来やすい!!!
その時の脳内には勝利の2文字がうっすらとだけ浮かぶ。
俺は斜めから来る斬撃を、ギリギリのラインで避けると、すぐに、自分の腰に
付いている剣を引き抜き、モルドレットの肩に向かって、吸い込まれるように放つ。
でもその時のモルドレットは笑ったままの表情だった。
「残念だけど、僕が聖剣を一本しか出せないなんていつ言ったかな?」
すぐさま、モルドレットは重い剣を手から離し、新しい剣を片手に持って、素
早く新しく出した剣で俺の斬撃を受け止める。
俺はすぐに後方へと、下がりモルドレットの素振りによって当たる範囲から引
き下がる。
まあ、すぐに間合いを詰められるんだろうけど…
「その本…なかなか特殊な物じゃないか…」
「ノンノン…特殊なのは僕のスキルだよ。僕のスキルは本にあるものを実現にさ
せる能力。だから、こんなこともできちゃうんだ。」
そういうと、本を前に出して、パラパラとページを捲る。
「スキル:
モルドレットは少しの笑みを浮かべながら唱えると、本からは光を発すると、
銀色の竜を上空に作り出す。
「マジかよ…」
銀色の竜は銀のように輝く鎧のような鱗を纏い、いかにもランクでいう、S級に
該当するくらいだ。そして、銀色の竜は大空から、急に降りてきて、モルドレット
の近くに揺れを響かせながらも、着地する。
「こいつは僕にそっくりでねぇ…ホワイトドラゴンの意味は「強欲」まさに今、
僕の戦っている理由はこの「強欲」あってのものだから、こいつは躾けてあるん
だ。」
というと、銀色の竜は頭をモルドレットに近づける。
あまり、見たことのない竜だが、多分、この世界の性質上、竜よりも、モルド
レットが強いことは確かなんだろう…
「まずいな…」
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