第4話 なんか変な奴がいるけど試験は始まりました
「ふう。緊張してきたー!!」
「まあ、試験だからな。とりあえず頑張れよー」
「おう、行ってくるぜ!」
俺はクラウドに向かって言うと、コロッセオのような円形の闘技場の中へと入る。
実は今日、俺はある場所に来ている。
それは、冒険者認定試験所だ。
俺が冒険者になるためには冒険者の資格を取らなければならない。
どうやら冒険者の規定というものが、ギルド管理局に置いてある任務をこなし、生活費を稼ぐ人たちのことをこの世界では冒険者というらしい。
その際、ギルドの任務をこなすためにはあらかじめ冒険者名簿に登録されている必要がある。
ちなみに、俺のような冒険者資格を持っていない奴はギルドの任務を受ける際には冒険者資格を持っている人を必ず付き添いとしてつける必要がある。
だが、俺は今後単独で冒険者として活動するにはこの資格を取らなければいけない。
ちなみに、その資格を取るために開催される、冒険者認定試験は4ヶ月に一回しか開催されないため、冒険者資格を取るのであれば今しかないというわけだ。
大きな建物の門を潜ると、そこには色々な種族がいた。
一番多いのは獣人だろうか。
「お姉さーん!!!!!!!!!!」
遠くの方から何か声が聞こえた。
「ん?」
「「うわああああ!!!!」」
俺は振り返ると、勢いよく声の主とぶつかる。
「い、いててえ…」
「う、うわー!!す、すまん!!大丈夫か?」
さっきの大声の主が俺に手を差し伸べる。
「あ、ああ。大丈夫だ」
俺は差し伸ばされた手を握り、地面についた腰を浮かした。
「いやー、すまんすまん!!あっちの方に綺麗で別嬪で母音×2な人がいたもんだ
から、勢いよく走ってしまったよ!!!ほら!あそこの人!!」
俺に喋る時間も与えないそいつは指先を俺の後ろへと向ける。
「え?」
そして、俺は興味本位で後ろに向くと____________
うお、でか!!
巨乳の破壊力は凄まじいな。
「と言うことでーー!!!!」
「お、おい!!!」
と、そいつは雷の如く走り、雷のごとく巨乳のお姉さんのそばに寄り、雷の如
く激しい音を頬に響かせられた。
空中で1440度回転をすると、足を崩して石畳の床に倒れる。
「あ、あいつ大丈夫か!?」
俺は今日、良いものを見せてくれたあの頬の膨れたあいつの元の駆け寄る。
「お、おい?大丈夫か!?」
「あ、ああ。なかなか良いものを見せてもらったよ……」
「お、おい!!!しっかりしろ!!!!」
「俺の冒険もここで終わりか……はあ、じゃあな」
「お、オオオオオオオオオオオオオイイイイ!!!!!!」
静かにそいつは息を引き取った…………
名前も知らないそいつはいつしか、空に残像として消えていった…………
「って勝手に死ぬな!!!」
俺はあまりのことにおでこを少しパチンと叩いた。
「ハッハ!いやーなかなかのノリツッコミだったよ!!俺の名前はブランチ。ブラ
ンチ・メオリマス!好きなものは大きいおっぱいと美人or可愛い女の子!!!性
欲に支配された冒険者を目指しているただのゴブリンだ!!」
ゴブリン!!
緑の皮膚をした希少な種族だ。
基本的に性欲が強かったりするとかRPGにはあったりもするらしいが、この高身長な男性からはそんなことも考えられないし、多分だが性欲が強いのは元からだろう。
「えーと、俺はエルフのヒスイ!!巨乳も貧乳も大好きです!!」
とりあえず、相手に合わせてみたは良いもの、周りからは少し引かれた目線を感じた。
「ヒスイ君か!確かに小さいのもいいな!!って、あそこに推定5歳の女の子が!!!ちょっと行ってくる!!!また試験が終わったら会おうな!!!」
「お、おう__!!」
そういうと、ブランチは光のごとく、去って行った。
周りを見渡してもロリは居ないのにな…
すると、しばらくして待ち場所全体にアナウンスが流れ始める。
『それでは、これより冒険者認定試験を始めます。空間転移を行いますのでしばらくお待ちください』
広場にその言葉が流れると地面に赤い線が引かれ始める。
「これは
そして、再びアナウンスが流れ始めた。
『それでは準備が完了しました。これより冒険者認定試験を開始します。ドラループ。』
その言葉が待ち合い広場に響くと俺ら、試験者は青い光に包まれて薄暗い森に転移された。
薄暗い森の中には遠くの方に五重塔の様な建物が見える。
『ここは特別試験場のマモイの森です。少し前は魔獣の溜まり場でしたが、魔獣は今、全て封印してあります。それでは試験者様等は今見えております、塔を目指してください。ですが、試験開始と
森全体に法螺貝のような音が鳴り響くと、土の中から、赤い目をした
一気に緊張感が漂う森に俺は足を一歩。
また一歩と、走り始めた。
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