第16話

「はい?」

メタリックスライムンを倒した元冒険者「だから、アドバイスにきましたので、ええと、この場合は……そうだ! そうなんですよ! 今、メタリックスライムンは鋼鉄が盛り上がっていますよね。だから、今はこちら側の攻撃が一切通じません。でも、疲れて鋼鉄が縮んでいくと、今度はこんにゃくのように柔らかくなってしまいます。そこで、ぼくは昔……」

「ええと?」

メタリックスライムンを倒した元冒険者「……炎です」

「は?」

メタリックスライムンを倒した元冒険者「炎なんですよ。この場合、メタリックスライムンを火炎系の攻撃魔法で焼いてしまうんです。幸いぼくはその時、火炎系魔法を習得しておりました。なので、焼いてしまいました。そう、倒せたんです」


ライズ国王「おお、聞いたか! 勇者ランダルよ! そなたのその手に持った鋼炎剣でメタリックスライムンを焼いてしまうのだーーー!! これこそ我が軍事国家の知恵を集めた最高ランクの対策である!!」


「………………ラッッジャーーー!!」


 俺は、メタリックスライムンを倒した元冒険者に感謝した。愛用の火の女神の加護がある鋼炎剣を持ち直し、最上段に構えた。


「おい! ランダル! 何をやってるんだ! さっきの敵ならリルリスがとっくに倒してしまったぞ!」


 スザンヌが呆れていた。

 俺は周囲を見回すと、広大な草原の中央には、今では鉄が溶けたような液体が広がっている。メタリックスライムンはリルリスによって、綺麗にその原型をとどめられないほどに消されていた。


「って、リルリスの攻撃は防御力完全無視かい?!」


 草原の向こうにいるリルリスはこちらに向かって、欠伸をすると、テントの傍で作ったたき火用の小枝を集めていた。

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