七 新たな侵攻の始り

 その時、巨大電脳意識・神場が未確認飛行体の出現を知らせた。4D映像探査ディスプレイに巨大な鏃型の宇宙艦が現われている。


 俺は巨大電脳意識・神場に訊いた。負弦の主張は違うみたいだぞ!

「神場!何処の船だ?」

『デロス帝国の宇宙艦です』

「デロス帝国軍がここに駐留する気か?!

 負弦!お前、何をした?!」


「慌てるな、弾鉄!戦艦じゃない!

 確かに、デロス帝国の宇宙艦だが、惑星地質調査艦だ。私の仲間の地質調査隊の宇宙艦だ。宇宙艦には、デロス帝国軍を主惑星グリーゼへ侵攻させる今回の作戦を練った仲間が乗艦してる!」


「負弦の仲間か?」

「そうだ。デロス帝国軍がこの地から撤退したので、反政府勢力の仲間が、ここに来たんだ」

 負弦はディスプレイの探査映像を見ている。巨大鏃型の宇宙艦は神殿の真上一千メートルに滞空している。降下する気配がない。


 妙だ?これではデロス帝国軍に代って、デロス帝国の地質学者と称する者たちが侵攻したのと同じだ。

 巌鉄が身体を奪われて負弦の精神と意識を有した巌鉄に変身したように、この惑星ガイアのヒューマは全て、ディノスの精神と意識を持つヒューマになってしまうのか?!そうなれば、デロス帝国に侵略されたのも同じだ・・・。


 俺は剣を抜き、ディスプレイの探査映像を見ている負弦の後頭部に、レーザーパルスを発する鋒を当て、いっきに突き刺した・・・。



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