第7話 第3階層攻略
第3階層は森林だった。
「はーい皆元気?【美知留とアイリスのそれいけダンジョン】
の時間だよー。今日は第3階層を攻略していくよ」
「森林フイールドなんだけど、猿とか蛇とかゴリラとか
大きな蜘蛛が出たりするからあまり好きじゃ無いのよね」
アイリスは苦手みたいだ。
俺は貴重な薬草が採れたりするので結構好きだが。あっちでも
虫系の魔物が多いので女の子にはあまり人気が無かったなあ。
早速現れたのは森林炎狼だ。身体に火を纏う森の狼だ。
「火を纏う狼が居るのに何故森は家事にならないのか?
パパ、解説お願い」
「解説しよう。炎狼の炎は自分より強い相手に対しての威嚇
魔法であり、普段は熱くない映像みたいなものなのだ。
ところが一旦戦闘状態になると、一気に温度が上昇して
敵に大やけどを与えるのだ。当然周囲の木や草に火が
移る危険も有るがここいらの樹木は3000度位の
高熱にも耐える高耐熱性の樹木ばかりで火事になる
心配が無いのである。それなりに使える木材として
高価で取引されるのだ」
「パパ、解説有難う。戦闘しやすい場所を作るので伐採する
から、お土産に持って帰るね」
視聴者の会話
A[なんか和やかな親子の会話してるぞ。目の前に魔物がいるのに]
B[恐れるほどの敵じゃないってことか]
アイリスの風魔法で地面の高さで木々を伐採する。
それを即座に美知留がマジックボックスに収納する。
A[いつみても凄いな、マジックボックス]
B[時間停止の無い小容量のマジックバッグが10万円で
発売されるそうだぞ]
A[何々、してその容量はいかに?」
B[2トン冷凍車の荷室位あるそうだぞ]
A[そりゃ使えるなあ]
等と言ってる間に美知留とアイリスは炎狼25匹を退治
していた。
ドロップ品は毛皮と肉、牙、爪等。毛皮は火に強いので
溶接の時の手袋や、キャンプ用の耐熱手袋に加工される。
魔石は一角ウサギやゴブリンより大きく携帯コンロの
エネルギーとして使える。
肉は食用としか出ないので、味は期待出来ない。
次は森の奥に巨大な樹木が見えるのでそっちに行くことに
したようだ。
「世界樹かな?」
「だといいね。なんかフアンタジーぽいし」
美知留とアイリスが突然異様な気配を感じて警戒したその時
頭上から毛むくじゃらの腕が伸びて2人を襲った。
直後防御シールドの反射機能が働き、腕の持主である
倍返しでも5倍返しでもなく同倍返しにセットしていたので
魔物は死なないで、ピクピク痙攣していた。
魔物の本体は遥か30m樹上に有ってそこから一瞬で腕を
のばしてきたのだ。
美知留はその腕の1本をむんずと掴み思い切り引っ張った。
本体は、
ボキボキバキバキと張り出した枝を折りながら落ちてきた。
本体は顔が華やかな色彩で彩られた歯をむき出して威嚇する
マンドリル似の猿の魔物だった。地上にいると腕の長さは身長
位の長さに過ぎない。たかだか150㎝の腕が30mに
延びるとは信じられない。さすが魔物だ。
地上に引きずり落されても闘志が失せないそいつは再び腕を
伸ばして美知留を襲う。今度は10倍返しの反射で全身真っ黒に
焦げて死んだ。
ドロップ品は魔石に初めての【スキルオーブ】が出た。
鑑定結果
【スキル ロング・マジックハンド】大当たりのスキル
はずれの場合、孫の手かおもちゃのマジックハンドが出る。
なんか、福引の景品の様だ。
この後2匹を倒してスキルオーブと孫の手が出た。
「孫の手はパパにお土産に持って帰ろう」
「そうだね」
ロング・マジックハンドとは一体どんなスキルなんだろう?
次に遭遇したのはジャイアントスネークと呼ばれる50m長の
大蛇だった。
大きく口を開けて2人一緒に飲み込もうとする。
「アイリス、スタン掛けて」
「うん。【スタン】」
大蛇は大口を開けたまま動かなくなった。
「良し,「【ロング・マジックハンド】」
美知留の両腕がしゅっと伸びて、大蛇の上顎と下顎を掴むと
力任せにその口を更に大きく開けようとする。
大蛇は口を閉じようとするが、抵抗できずに
バリバリブッチーンと口が上下に裂けてしまった。3m
裂けたところで大蛇に引導を渡す。見えた魔石を
マジックバッグに収納すると大蛇は息絶えた。
「うん、このスキル色々使えそう。面白い」
美知留は満足げだった。
ドロップ品は肉と皮革。
肉は濃厚な鶏肉の味がする。
俺の鑑定では必ずと言っていいほど食用であるかどうか
毒性の有無、味の感想が出る【自炊料理人】の
スキルの為だろうか。
視聴者の感想は美知留の怪力っぷりに対する感想が殆どだった。
世界樹と勝手に名付けた巨大樹まではまだ遠い。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます