第2話 魔法陣



 何もない空間で蝶が出会う。


 蝶はキラキラとした光をまとっていて、まるで宝石のよう。


 一体どこからこんな蝶がやってきたのだろう。


 私は首をかしげてみるけれど。分からない。


 あたりを見回してもみるけれど、見当たらない。


 まあいいや。


 いつものように思考を放棄する。


 別に何も困らない。


 ここは安全。


 ここは幸せ。


 私はずっと蝶を眺めていればいい。





 普通の人間である私は、ある日異世界へさらわれた。


 ライトノベルでいう異世界召喚という奴だろうか。


 憧れはあったけど、でもそれは空想の中だけ。


 現実にそんな事があったらm巻き込まれた人間にとっては、酷い迷惑だ。


 私はそんなもの、そんな非日常、そんな悲劇、いらなかった。


 空想に憧れるだけの、ただの日常で生活していたかった。



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