規則間違いな昼食

 昼食を食べなかった。なんてことない、昼時が丁度忙しくて、食べる時間がなかっただけのこと。


 もう3時になってしまったけれど、昼食という名の軽食を取ろうか。かなりお腹が空いているが、食べ過ぎてしまったら夕食が食べられなくなる。


 でも、今日は早く寝てしまおうと思っていたし、お腹が空いて眠れないなんてことはないかもしれない。ならば、お腹いっぱい食事をしようと思う。


 ふと、行きたかったカフェを思い出す。いいお値段するなと思って、ズルズルと行くのを躊躇ってしまっていた。良い機会だし、今から行こうかな。


 清々しいほどの快晴なのに、ひどく寒い。風があるからなのかも知れないけれど、一番の原因は食事をしていないからであろう。日光だけでは身体の冷えは解消されない。


 つまらぬことをうだうだと考えていると、目的地に着いた。お洒落な木の戸に掛かった観葉植物が、太陽に照らされキラキラしている。


 もしかして、新たな出会いがあるのだろうか。ここで待っているのは、どのようなものだろう。それを確かめるために、店の扉をそっと開いた。

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