朝
俺は四月から晴れて高校一年生になる。
そして俺はこの家から出る。
「師匠!いい加減僕から離れてください!」
「い・や・だ。君はまだ未成年だろう。というか君はいつまで経っても私の弟子なのだからずっと庇護されるべきだ。つまり保護者が必要だ。そして保護者が君の一人暮らし先について行くのは当たり前。Q.E.D.」
絶世の美女です。と自己紹介しても誰もが否定しないくらいの美貌を持つ師匠は駄々っ子のように屁理屈をこね、そっぽを向いている。
残念な美女とは師匠が語源だろう。そうに違いない。
「いや、そういう事じゃなくてさ...。」
「何よ。いいもん。いいもん。それなら、」
「四百歳越えの婆さんが「もん」使うなよ。」
僕はつい師匠が地獄耳なのを忘れて呟いてしまった。
しまった。そう思った時には師匠は杖を構えて魔法発動準備状態になっていた。
「高校壊すわ。」
「わ、ちょっ、ごめんなさい。ごめんなさい。」
僕は慌てて魔法発動準備状態破壊魔法を使い、師匠の魔法発動を防いだ。
「謝るなら警察はいらないわよ!」
「ごめんって...はぁ師匠いいですよ。ついてきても。」
「よし!...そうだ。君への中学の卒業祝いをすっかり忘れてた。今、買ってくる。」
窓から飛び出ると魔導箒でどこかに行ってしまった。
「...はぁ、師匠にはそろそろ僕なんかから離れて自由になってほしいな。でも...」
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