8 神將
高速道路の上で、2つの妖魔と一人の神が車の間から追撃戦を展開し始めた、白骨の精に騙された唐未夢は自ら罠にはまった、彼女が乗ったタクシーこそが白骨夫人が用意した罠だった。
白骨の魔狼は左右に避けながら進んでいる、氷の狼に乗った二郎神は跳ね上がり、第三の目から神の光を発射した、しかし魔狼はトラックの裏に回り込んで、攻撃はトラックに障碍された。
「三眼野郎!無茶をするな!やばい交通事故になるぞ!」悟空はできる限り被害を減らそうとしている、それがこの二千年の間に三蔵法師が彼に対しての言い伝だからだ。
「三蔵法師の命と比べれば、何千、何百もの命が犠牲になっても大した問題ではない。」二郎神にとっては被害の数なんでどうでもよかった、三蔵法師の肉を食った妖魔の対処はますます難しくなり、それによって起こされる被害は比べられるものじゃない。
「二郎神に加えて孫悟空もいる……この戦いは私には不利のようだね。」白骨の魔狼は走り続けて、狼の頭にいる白骨夫人は後ろに振り向き攻撃を仕掛けた。
「あなたはホントにバケモノなのか……じゃあ筋肉男の言うことが正しいなのか?教会の人たち……あれもあなたの仕業なの?」未夢はようやく理解した、この全てが彼女を孫悟空から遠ざける策略だった。
「え~そうだわ、あなたはどんなに生まれ変わっても、騙しやすいところは変わらないよね。毎回孫悟空はそんなあなたを見捨てないのもかわいそうに見えるわ……でもその全ても馬鹿らしいだけどね」白骨夫人は骨を使ってマシンガンを作り出して、骨の狼の背中の上で砲台のように設置した。
「じゃ……じゃあ教会の人たちはどこに行ったの?」未夢はまるで心臓がえぐられたような感覚がした。
「全部、私が殺したよ~。」なぜなら白骨夫人が話した真実を彼女はすでに何となく察知していたからだ。
「お師さん!ぼーっとするな!後ろに気をつけろ!」孫悟空は空中で叫んだ、なぜなら二郎神の攻撃に手加減する様子はなかったからだ。
神の光のビームがまた骨の狼に向かって発射した、しかし骨の狼はタイミングよく右にジャンプして回避した、後ろに向いた白骨夫人の視界により骨の狼は正確的に攻撃を避けるようになった。
「半人半神の雑種ごときが、よくもまあ私たちと二千年の間ずっと絡み続けなれるね。」そして白骨夫人の白骨マシンガンが二郎神に狙いを定めて撃ち始めた。
二郎神楊戩は天帝の妹が勝手に凡人との間に生まれた半神である。
「もっと近づける、哮天犬、加速しろ。」楊戩は槍で向かってくる骨の銃弾を止めた、しかし銃弾で牽制された彼はうまく力を発揮できなかった。
二郎神は白骨の精の銃撃を防ぐことができるけど、道路上の普通の車じゃそうはいかなかった、弾に当たった車が暴走し、相次ぐにぶつかり事故が発生した。
「三眼野郎!てめえは人の心がないのか!」悟空は焦って振り返って、車の暴走を止めようとした、これ以上被害が増やさないために。
二郎神は白骨の精を追いかけてトンネルに入りそうのところまで来て、悟空はトンネルに車が入らせないように変化の術を使用した。
「交通管制部隊!」悟空はバリケードと道路パトロール隊員を変化の術で生み出し、車のこれ以上の進行を止めた。
「三眼野郎は完全に怒ったな……」二郎神と長い間同じように人間界で妖魔を討伐してきた孫悟空には分かる、さっき白骨夫人の発言で楊戩の決して触れてはいけない部分を触れてしまった。
雑種や混血、こういった言葉は楊戩にとってタブーである。彼の出身は天界では受け入れられる存在ではない、二郎神の今の地位は彼の努力と粘り強さがあったからこそのものだ、今になっては天界の中で最も妖魔を討伐した神將になっている。
楊戩の表情が氷のように冷たいものだとしても、今彼の怒りは心の中で燃えていく。
…………
トンネルの中で2匹の狼が走っている車を高速で追い越していく、白骨の精の銃撃は無実な人たちを殺し、二郎神の光のビームもまた人の命を無視していた。
「あなたの友達も家族もただの赤の他人だとしても、あなたと関わってしまったら囮としてあなたを誘い出すことができる、彼らの死は全部有意義なのよ」白骨夫人はそうやって何度も三蔵法師の生まれ変わりを呼び寄せた。
「この悪魔め……」未夢は白骨夫人を睨みつけた。
「そんな目で見つめないで、我慢できなくなっちゃう……あなたを今すぐ食べたくなっちゃうわ!」白骨夫人は首を伸ばし、未夢を脅迫した。
トンネルも終わりに近づき、この夜空の下で、未夢を救おうとする者は色彩雲に乗ってようやく追いつけた。
「よっと!」悟空はトンネルの出口に追いつけて、棒を強く白骨の精上半身に叩き込み、吹っ飛ばした。
「まだ貴様か……」白骨の精を倒すきるには白骨夫人の弱点をきちんとつけないといけない、こんな攻撃はただ骨の狼のスピードを緩ませただけだ。
空中で、白骨夫人は両手の骨の爪を伸ばし、悟空を掴んだ
「三眼野郎!」悟空はき筋斗雲から引き下ろされてたが、彼にはまだ頼もしい戦友が残っている。
氷の狼は一躍し、骨の狼を追い越してそのまま急停止して振り向いた、それと同時に二郎神の槍から巨大な氷の刃を生成した。
「行け、哮天犬。」冰の狼は命令に従え加速した、二郎神両手で槍を握りしめながら突撃し、骨の狼を両断した。
「た……助けて!」骨の牢屋に閉じ込められた未夢はその衝撃で空中に飛ばされた、彼女のすぐ下は高速道路の高架の下だ。
「お師さん!あなたの弟子が来たぞ!」危ない所に悟空は間に合った、白骨夫人に引き離されたとしても、筋斗雲は主のもとに駆けつける。
「兄貴!犯人は全部捕まったぞ!」 小猿隊長は悟空に報告し、教会の中の白骨の妖魔も全部縄につけた。
骨の狼は撃破され、教会も鎮圧されて、未夢も救出できた。残ったミッションは白骨夫人を消滅させることだけだ。
「よっし、このまま白骨どもを燃やし尽くせ。」悟空は未夢を抱きながら高速道路に降りた。
高速道路の高架の上に白骨夫人は自分の身体を修復し姿を表した、そして今は楊戩と孫悟空によって前後に挟まれた。
「罠を仕掛けたり騙したりする方法しかできない、一度たりとも正面から戦わない、怠惰な白骨夫人よ、君はここで死んでもらう。」前方にいる楊戩から神の力が急速に高め、銀白の神の鎧が彼の体の上から錬成して、氷の狼に乗る、これこそが三眼神の最強の姿である。
「私が長年潜伏してきたからって、あなたたちと真正面に戦えないと思わないてよ、私はただ愚かで意味のない戦いが嫌いなだけだ、勝つだけだったら私の頭脳だけで十分だ。」白骨夫人は妖力を手の中の頭蓋骨に込めた。
「いや!お前はただ労せずにしてよい思いをしおうとするだけ、人の善意を弄んだだけだ、卑怯な小者にすぎない、」後ろにいる悟空は数匹の小猿を呼び出し、鎧の着用を手伝ってもらった、斉天大聖は必ず白骨夫人を殺すと誓う。
「あと少しなのよ、あの人は言ってた、あとちょっとの三蔵法師の肉さえあれば、私たちは神を打ち破り……その時になったら……私は私の夫と……」白骨夫人の目から殺気が溢れ出した、彼女は愛のために抗うとしている。
「あの人は一体誰だ?君たちのリーダーは?大雷音寺の待ち伏せの首謀者は一体誰だ?」二千年の間ずっと追いかけてきたが、二郎神は未だに事件の真相が分からず。
「アハハ……斉天が出来るくらい強い……大妖魔だ!」白骨夫人は悟空を見つめていた、追い込まれた彼女は頭蓋骨を高く投げた、今から長年の間ずっと隠れた実力を解放しようとしている。
頭蓋骨が大きくなり、白骨が周りから集めてきて、巨大な半身のスケルトンになり、白骨夫人はスケルトンの胸の骨の中に隠れた。
「今日のニュースにもう一つの大事件が追加しそうだ……」悟空は筋斗雲に乗って、百眼魔君に阿修羅モードを使用し、その上に全妖化も発動した、悟空にとって今日は非常に消耗した。
だが白骨の精を徹底的に殺すには、今が好機である、二郎神楊戩もこのことを分かっている、神槍を握った彼はに攻撃に向かった
「コアの中に隠れている本体をやっつければいいのか?」氷の狼は加速し前に出て、楊戩の額の上神眼が銀光に輝く。
「できるわけがない……あなたはただの卑劣な半神だ!」白骨の大きな手は横に振って、向かってくる氷の狼を吹き飛ばそうとする。
氷の狼が再び一躍し、白骨の手の上を踏み突き進んだ。
「おのれ……」真中にいる白骨夫人何本か脊椎骨のようなムチを錬成し、二郎神の接近を止めようとした。
「お前は三眼野郎を怒らせた、如意機關炮を喰らえ!」悟空は空中から接近して、如意金箍棒は一瞬でゲーリング重機関銃に変化した。
機関銃の援護もあって、二郎神は神眼の寒光使って鞭を撃破し、白骨巨人の真ん中がガラ空きになった。
「一。」楊戩は號令を出し、そして白骨を大範囲で凍らせようとした、氷の狼が踏みつけている骨の手から白骨の全身に広げた。
「二!」悟空は機関銃を棒に戻し、上からの重い一撃で氷漬けた白骨を粉砕した。
白骨夫人はもう全ての守りを失くした。
「三。」楊戩は氷の狼からジャンプし、三尖両刃槍を空中にいる白骨夫人を刺した。
神槍で白骨夫人の防御に使った両手を貫き、二郎神はそのまま白骨夫人を地面に押し付けた、刃槍は彼女の胸元まであと5cmの距離しかない。
「どうだ、それでも半神の力を見くびるのか?」勝負はついた、あと少しだけ槍を刺し込めば、白骨夫人は楊戩の槍の亡霊となるだろう。
「半神は所詮ただの半神だ……私の夫とは比べ物にはならないわ……」絶体絶命な状況にいる白骨夫人、命が終わろうとしているのに、彼女が思い出したのは彼女の骨の上に「白骨夫人」の文字を刻んだ彼を思い出す。
神の奇跡以外に、もはや白骨夫人には助けようがないんだ。
「極楽往生、だか罪深い君には、輪廻転生して君の夫に会う資格はもうない。」二郎神は早めに相手のトドメを刺そうとしていたが、しかし彼の槍はそれ以上刺し込むことができない。
黄金の風が白銀の神の力に対抗している。
「三眼野郎!後ろだ!」空中にいる孫悟空は黄金の風から鋭い爪を顕現した瞬間を見た。
金の爪は二郎神の頭の後ろまで迫ってきて、楊戩は前に避けるしかなかった。
「あ……アナタ!ようやく来ましたわね……」白骨夫人は彼女の奇跡を待つことができた、彼女の神を。
「私の夫人……百花羞よ。」黄金の風の神力の持ち主は金色の鎧をまとい、ふさふさの長い髪の男が白骨夫人守ろうとした。
「お前か……黄袍……いや!奎木狼と呼ぶべきか!」孫悟空は筋斗雲から飛び降りて、突然現した敵の増援、妖魔であり、神でもあった。
天界の二十八星宿の一人・奎宿(奎木狼)が再び人間界に姿を現した。
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