嘘遊記6 怠惰の白骨夫人

「ここで合ってるか?」孫悟空は孤児院の外に立っている。

「あぁ、報告書ではここは彼女の住処だ、しかしここはもうすでに妖気であふれている、妖魔どもはここに潜伏しているようだな。」

二郎神は唐未夢のこれまでの人生を書かれている報告書を持っている、今の世界は自由と民主を掲げているか、実際のところ、見えない目でずっと観察され続けているかもしれない。

「成績はこんなにいいのにちょっと頭がアホなんだよな……それに運動神経も悪くないんだな。」悟空も未夢の個人情報を読んでいる、特に未夢のスリーサイズについて驚いている。

「問題は……彼女は歴としたクリスチャンだ。」

「クリスチャン?」悟空はそれについて問いかけてみた。

「キリスト教を信じているものだ、聖書やキリストの教えに従って生きる人間で、Wikipediaで書いてる」二郎神は道教の神である。

「Wikipedia?天界の新しい神なのか?」ずっと天界に上がっていない悟空は聞いた。

「それはウェブサイトだよ……二千年間ずっと人間界にいるようだけど、全く世界が何が起きているのか気にしてないようだな、君は。」二郎神は説明しながら横目で悟空を見た。

「俺が気にするのは、お師さんとお師さんを殺した妖魔どもだけだ」悟空は自分の嗅覚に注意を集中させ、勢いよく息を吸い込んだ。

「誰かわかるか?」違う妖魔から漂う妖気もそれぞれ違う。

「あぁ……しかもこんな時にあのアマが仕掛けてくるは、相当厄介なことになりそうだ。」この見知った妖気は悟空とある妖魔のことを思い出させた。

何回も三蔵法師を騙し、悟空を追い出させた原因を作った妖魔だ

「やっつけにいこう、お師さんが白骨と化す前に。」悟空は耳から金の針を取り出し、その金の針は悟空の妖気に応じて、長い棒と姿を変えた。

キョンシーの白骨夫人、元々はすでに西遊の旅中に悟空によって葬られたけど、地獄から舞い戻り、大雷音寺の襲撃で三蔵法師の肉を食った。

…………

教会の中、孤児院に住んでいる子供たちとシスターや神父も拍手で彼女を迎え入れました、だがこれまでになかった熱烈な雰囲気に未夢はちょっと戸惑っている。

朝の事件で恐怖と非日常の出来事で彼女は混乱していた、馴染みのある顔ぶれに安心感を覚えていたが、彼女の頭にはまだ違和感が覚えている。

「この場所がこそ私の現実。」それとは別に未夢の頭の中に、ずっとこの言葉が響いている。

「おいで〜未夢、一緒に祈りを捧げましょう。あなたは私たちの元に連れてくださった天の御父に感謝を、食べ物を与えてくれてることに感謝を。」シスターはそっと未夢の手を握りしめ、白骨の精は未夢という食べ物に感謝の気持ちを捧げている。

安全で暖かい自分の居場所、これは白骨の精が唐未夢を騙すための布石だ、彼女は未夢を守る者たちは非常に衝動的て、後先を考えない人だとよく知っているからだ。

「また同じ手が、よく飽きないな、白骨の精よ!」孫悟空は教会のドアを蹴り壊した。

「主よ……何ということでしょう。一体誰か私たちの神聖な教会にこんな乱暴な真似を?」シスターは慌てたふりをした。

「どれが本体なんだ?」二郎神は神眼を開き、教会を見渡した。

「未夢姉ちゃん!僕、怖いよ!」小さい男の子がドアの壊れた音で驚いている未夢に抱きついた。

「全部だ、こいつはお師さんの肉で力を強化した、ここにいる全てが白骨夫人の一部だ。」孫悟空は何度も白骨の精を捉えようとしたが一度も捉えられなかった。

「まだこの2人……いや、きっとこれは幻だ、現実なはずがない。」孫悟空と二郎神の姿を見て、この二人の存在は未夢にとって今日の朝の血を流しすぎた出来事は嘘ではない証明になってしまう。

「私たちは同じく天の父の子だ、とにかく落ち着きましょう、話せばきっとわかる、あなたたちは何のために来ましたか?」神父は前に出てこの争いを止めようとした。

「こういう手を俺には通じないぞ!」悟空は片手で如意金箍棒を振り、神父を吹き飛ばし壁に激突させた。

「神父さん!」彼女は恐怖のあまりに叫んだ、この神父は18年間ずっと彼女の世話をして、彼女にとって親代わりの存在だ。

壁に激突した神父は血まみれになった、倒れた彼はすぐさまにも死ぬような雰囲気を漂っている、

「主よ!彼らはきっと悪魔なんだわ!私たちに危害を加えるためにやってきたサタン手先だわ!」シスターは泣き出した、他の子供たちもそれに合わせて騒いでいた、泣く声が教会中に響いて、それを見た未夢は、二人のことをさらに恐れた。

「いい演技をしてるね。」二郎神も虚空から武器を取り出し、三尖両刃槍も暴れだす準備はしているようだ。

「未夢姉ちゃん!僕は怖いよ!僕たちここで死ぬのかな!」男の子はさらに泣き出し、この子の涙を見て、未夢はあることに確信した。

目の前にいるこの二人、彼らこそ悪だ。学校での被害も全部この二人のせいだ、さらに今はこうして自分の家まで襲撃しに来て、彼女の家族に危害を加えた。

「お師さん!早くこっちに来い、あいつら全員妖魔の変装だ!」孫悟空の肌からだんだんから毛が生え出して、斉天大聖は妖魔の存在を絶対に許さない。

「いいえ……君たちこそが妖魔だわ……私と私の周りにいるみんなを傷つけようとしている……君たちだけだ……」未夢はすでに騙された、この場で最も人間らしくないのは毛が深く生えてる者と額の上に第三の目がついている知らない人だ。

西遊の旅最中、悟空は三度も白骨の精を攻撃した、白骨夫人は女性、老婆と老人に化けて三蔵法師に近づけこうとした、彼女は自分の実力では孫悟空に勝てないと理解しているから、彼女は三蔵法師の優しさを利用し、二人の間を裂いた。幸いなことに悟空はそれでも自分の師匠を守ろうとし、白骨夫人の解屍法を見破り、最終的に三蔵法師を守りきれて、白骨の精を倒した。

しかし1度死んだはずの者は、なぜか地獄から戻ってきた。

「お師さん!お前は何度生まれ変わっても同じだ、善悪を見極めず!すぐ他人を信じる!」悟空は千年もの間、同じ罠にはまる三蔵法師の愚かさにイラッとした。

「善悪を見極めず?あなたは神父さんを傷つけた!すぐ他人を信じる?彼らは私の家族なんだよ!」未夢は泣きながら悟空を責めた。

「君の家族はすでに白骨の精によって殺されている。周りの人に迷惑をかける、それこそ君の運命だ。」二郎神はランダムで子供に変装したものに目からのビームで打ち抜いた、その子供もどきの頭が破壊され、残されたのは白骨だけだ。

「ほれぇ、人間が死んだ後、すぐに骨にはならない」二郎神は証拠見せたつもりでいた。

「これはきっと悪魔の技だわ!私の可愛い家族よ……まだこんなに小さいのにもう主のもとに帰るなんて……」シスターそう言いながら強く未夢にしがみついた

「未夢姉ちゃん!怖いよ……僕まだ死にたくない!」男の子は未夢を抱きながら言った。

「本当に鬱陶しい……白骨の精よ、18年ごとに全く同じセリフを吐くなんで、一体いつになったら飽きるんだよ?」悟空は棒で地面を激しく打ちました。

「お兄さん……どうか子供たちを見逃してくれ、お金が目当てであれば全部あげるから……」負傷している神父がに悟空懇願した。

「もう黙れ!」悟空両手で金箍棒高く上げ、上から振り下ろした攻撃で神父を叩きのめした。

頭が破裂し、血肉も飛び散った。この死に様はまるで人間と同じようだ。

「神父さん!」未夢は泣きながら前に出ようとした、しかしシスターと男の子が彼女を引き止めた。

「君は本当に無実の人を殺してないか?」二郎神は神父の死体を見て、焦りだした。

「殺してねえよ……こいつの解屍法がパワーアップしたんだ!」何度も繰り返した西遊補円計画、一部の妖魔を葬り去ることはできたが、その裏で一部の妖魔は逆に力を増していくようになった。

白骨夫人、自分の手で戦うことなく、騙すことだけで三蔵法師の神聖な血肉を勝ち取り、怠惰で妖力を付けていた。

「バ……化け物どもめ……」未夢は恐怖の目で悟空と二郎神を見つめてた。

「私たちはちょっとやり過ぎたか?」二郎神は少女の怖がる瞳に動悸を感じた。

「先に手を出したのはおめえだろ。」悟空はビームに頭に撃ち抜かれた白骨を指さした。

「君が先に彼を壁まで叩きつけたんだろう。」二郎神はぐちゃぐちゃになった神父を指さした。

「どうでもいい!どうせこいつら全部白骨の精の一部だ!全部ボコボコにすればいい!」 悟空は如意金箍棒を振り回し、皆殺しするつもりだ。

「いいだろ、どうせ今何言っても小娘に届かないだろ。」三尖両刃槍は殺意を出した、例え未夢に説明しようとも、それは戦いが終わった後のことだ。

「未夢……裏口から逃げてください……彼らはあなたを狙っています。」シスターは遠くない裏口に指をさし、未夢を逃がすようにそっと促した。

「で……でも!」未夢は家族を捨て逃げたくない、彼女の一番大好きな人たちは全てこの教会の中にいる。

彼女が躊躇している中、シスターの頭は棒で叩き割れた。

「いやぁぁぁ!シスター!」悟空は最初で神父を叩き、次でシスターも打った、この二人も未夢にとって一番親しいものだ。

「お師さん!こいつらの戯言を聞くな!これは白骨の精が俺たちの間を引き裂こうとする策だ。」悟空の一擊、また一つ血まみれの死体が増えた。

「未夢姉ちゃん!早く逃げて!僕が守るから!」小さい男の子が前に出てそう宣言した。

「クソ白骨め!俺の前でくだらない猿芝居をするな!」孫悟空の三回目の攻撃、男の子も粉々にされてしまった。

同時に未夢の中の信頼も壊した。

「人殺し……この人殺し!」未夢は泣きながら逃げ出した、親友の死に様に一番親しい家族も彼女の前で死んだ。

「おい!お師さん!」悟空は彼女を追いかけようとしたが、彼の足は何者かによって拘束された。

未夢は裏口から逃げて、信頼はすでに崩壊し、白骨夫人の目標は達成した。

「孫悟空、君も三蔵法師も同じく、千年の間もずっと変わらないね。」白骨夫人がついに本体をさらけ出した。

教会中の全ての人は白骨に戻り、ここに生者は一人もいない、全部白骨夫人の操り人形だ。

「白骨の精……本当にお前のことは大嫌いだ!今度こそ徹底的にお前を潰さないと、俺の気が済まない!」激怒した孫悟空は再び白骨の精との再戦に臨んだ。

それと同時に、未夢は孤児院から離れ、まるでずっと前から彼女を待ってるようなタクシーがすぐそばにいた、彼女が孤児院戻った時と同じく、全く同じタクシーだ。そして彼女はそれに乗ってしまった。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る