嘘遊記3 七十二変化の孫悟空

学校の講堂て、今だに対峙している孫悟空と百眼魔君、講堂から逃げ出した唐未夢もまだ、残り4匹の化け蜘蛛に追いかけられている。

「逃げて!みんな...みんな早く逃げて!」講堂から出た未夢は学校内に残った人たちに避難させるように必死に訴えていた、だがその呼び声を聞いて、逆にどんどん野次馬が集まっている、講堂に行ってなかった生徒たちだ。

だがこれには命がかかっているようだ。

「うわぁー!」野次馬をしてる生徒の頭がもぎ取られた。

悲鳴は逆に蜘蛛の精の食欲をそそる、そのせいで残った生徒がどんどん殺されるようになった。

「だ...だめ!このままじゃ!」未夢は焦って振り返ると、そこには4匹の化け蜘蛛が虐殺をしてる光景が広がっている。

「無事でよかったぞ!姉さん!」小猿隊長がようやく唐未夢のそばに駆けつけた。

「あ...あなたは?」 未夢は自分に向かって敬礼している小猿に問いかける。

「オレは悟空の兄貴から姉さんを守るために仕向けた者ですぞ!」小猿隊長は自分の小さき金箍棒を見せびらかしながらそう言った。

「じゃあ早くあの化け物たちを倒してくれますか!みんなを助けて!」力を持ってなくても、未夢は誰かの力になりたい。

「姉さん、冗談きついぜ!こんな小さいオレじゃ、あの妖魔たちに勝てるわけないだろう!それに彼女たちの狙いは君だぞ!混乱に乗じて早く逃げるんだよ!」小猿は怖がっている、ただの分身体である彼は蜘蛛の精に敵うわけがない。

「狙いは...私?そうか、彼女達の狙いは私だ!」未夢はふと何かに気づいた。

「どうするつもりすっか?」小猿は嫌な予感がした。

「クソ妖怪ども!私があなた達が欲しかってる三蔵法師だ!やれるもんなら私を捕まえてみなさいよ!」未夢は仁王立ちして、偉そうに言った。

「食事に気を取られて...本来の目的を忘れそうになったわ。私達の目的は三蔵法師ですもの~」赤い蜘蛛ようやく本来の目的を思い出した。

「嘘でしょう!姉さんは自殺願望者なのか?待って...姉さん!」顎が落ちたと思わせるくらいに小猿はびっくりしている、小猿が反応する前に未夢はすでに背を向いて逃げ出した。

未夢は自分自身の運動神経には自信がある、同時にこれ以上人が死なせないように、この行動に走った。

「兄貴!まずいよ!JK三蔵法師はただのアホだよ!」小猿隊長も長年悟空についてきたけど、今回の三蔵法師が一番無謀だ。

…………

「まさか今世のお師さんはJKだけじゃなくて頭もちょっと弱いのか。」孫悟空は小猿隊長の報告を聴いて、この結論に至った。

「お前では彼女を守れない、何度生まれ変わっても、三蔵法師は最終的に俺たち妖魔の糧になるだけだ!」甲羅のような金バリアをまとった百眼魔君の前に、結局悟空のバルカンでも通じなかった。

「これ以上続けても埒が明かない....地煞七十二変化、分身の術!」悟空は1本の毛を抜き、毛が猿頭のハエに変形した。

「偵察兵、行け!」どんな強い技でもきっと弱点があると悟空は信じている、偵察兵の任務はバリアの弱点を見つけ出すことだ。

偵察兵が高速で潜行し、百眼魔君に向かっていた、孫悟空もバルカンを棒の形に戻して、突撃をした。

「懲りない猿だな、今回でお前を徹底的に潰す、そしてこれから三蔵法師が何回生まれ変わっても、三蔵法師を守る人はいなくなる!」百眼魔君は自分のシャツを破いて、石化光線を出せる目を増やした。

「地煞七十二変化!躍岩!」 地煞七十二変化攻撃の術以外にも、術者の身体能力を強化するサポートのような技もある。

悟空は「躍岩」によって向上させたジャンプ力で、講堂の中に弾丸のように高速で飛び回った、全部の石化光線を避けた。

「避ける しか能がないか?」百眼魔君の右手から虫が生え出し、高速で伸び始めた虫を鞭のように振り回していた。

「絶対防御、遠くにいる相手には石化光線、懐に入ったら鞭を出るか、本当にしつこいやつだな。」悟空は完全に受け身状態になっている、これじゃ得意の近接戦もできない。

「報告です、兄貴!この金ぴかバリアに隙はありません!」ハエの偵察兵は悟空のもとに戻った。

「チェ!使えないやつ!」悟空が偵察兵を握りつぶしそうとしていたが。

「でも!」偵察兵が許しを請うためにしゃべった。

「でもなんだ?」 悟空がハエを睨めつけながら問い詰める。

「正面は無理だけど、こっそり潜入できそう~」偵察兵がつる賢く地面を見つめていながらそう答える。

「潜入ね...いいだろ!これにする!」悟空がバリアを突破する方法を閃いた。

悟空はさらに自分の毛を使って、戦車を作り出した、長い時を経て、悟空はだんだん現代の兵器に変形することを好きになった。

「撃て!」戦車から砲弾を打ち出し、金ピカバリアに直撃した。

「無駄な足掻き。」百眼魔君はバリアの振動から無視し、虫の手を持って戦車に近づく。

「撃ち続けろ!」戦車は連続で数発を打ち込んで、金ピカバリアに圧力をかけ続ける。

「愚かな猿め。」相変わらず金ピカバリアに一切のダメージが入れない、逆に百眼魔君の虫鞭がすでに戦車を巻き付いだ。

戦車はバラバラに解体されて、悟空はその戦車の中にいない。

「地煞七十二変化!土行!」それは悟空が戦車が破壊される前に、すでに地中に潜れ、地下から百眼魔君の後ろに移動した。

戦車はただの囮で、目的は敵の目を引くこと、接近戦において一瞬の迷いは命取りになる。

「阿修羅モード!」悟空の体から四つの腕と二つの頭を生え出した、それに加え三本の如意金箍棒を握っていて、この三面六臂の姿こそかつて悟空が天宮で暴れていた時の姿だ。

反応が一瞬遅れた百眼魔君は振り向いて反撃しようとしていたが、その中の1本の如意棒は彼の手を抑え、残りの2本で強くその背中に叩きつけた。

如意金箍棒のすさまじさで、百眼魔君は強く打ち飛ばされた、悟空はこの機を逃さず、さらに追い打ちをかけ、空中で百眼魔君に連続で攻撃を叩き込んだ。

「万劫歸一!」悟空は如意金箍棒を巨大な姿に変形させ、渾身の一撃で百眼魔君を地面へ叩きつく。

「百眼魔光!」地面に落ちている百眼魔君は深いダメージをおきながらも反撃に出ようとしていた、体中の全ての目玉から一斉に石化光線を発射した。

「その手を読んでいた!変!お前の攻撃を反射する、それを返さなくていいから!」瞬時、悟空は巨大な鏡に変形して、襲い掛かってきた光線を逆に百眼魔君のもとへ反射した。

講堂から強烈な金色の光が炸裂した、2人の大妖魔の大激戦がとりあえず一旦落ち着いた。

講堂全体が灰色の砂利と化し、百眼魔君も最終的に石化された、だがまだ彼の妖気が消えていない。

「これでしばらく時間が稼げるか...まずはバカのお師さんの方が先だ...」連続の激戦で孫悟空の消耗激しいが、それでも彼は蜘蛛の精に追いかけられている三蔵法師のことを心配している。

石化はただ時間稼ぎにすぎない、百眼魔君の妖気はまだどんどん高めている。それとは別のところで蜘蛛を引き付けていた未夢もとうとう追い詰められた。

…………

唐未夢は走り続けて、途中いくつもの無人の教室を通りかかっていて、最終的に蜘蛛の精を人気の少ないところ、屋上に誘い込もうとしている。

「姉さん!この先にはもう道がないぞ!」小猿隊長は頭を抱え込んで、焦りながらそう言った。

「ちゃんと...ドアを閉めて...」未夢は屋上へ向かう扉の鍵をかけた。

「姉さん!こんな扉が妖魔を止められるのであれば、南天門の番人の四天王がみんなクビになるよ!」小猿隊長は彼女の行動に呆れた。

そして鉄の門が一瞬にして、蜘蛛の精に突き破られた。

「もう神に祈りを捧げるしかない...」未夢両手を合わせ、そして三匹の蜘蛛の精がついに屋上に上がった

「ゲゲ~三蔵法師、その血肉いただくわ!」赤い蜘蛛はもう我慢できず、仕掛けに行った、目の前には抵抗を諦めた妖魔にとって最高のご馳走が待っている。

「お師さん、今お前を守れるのは神でも仏でもない...」如意金箍棒は化け蜘蛛の口が未夢に噛みかかる前に、蜘蛛の精の頭を貫いた。

「この孫だ!」間一髪のところ、孫悟空は未夢の危機に間に合った。

そして屋上の向こうにはマシンガンを詰め込んだ軍用攻撃ヘリコプターが姿を現した。

「孫...孫悟空!?」オレンジ色の蜘蛛と黄色い蜘蛛がパニックになって叫んだ。

「そう、我こそは、花果山水簾洞の斉天大聖孫悟空也!」ヘリコプターマシンガンか発射し、あっという間に2匹の化け蜘蛛を蜂の巣にした。

「ふ...腹筋男。」未夢は悟空のたくましい姿を見て、思わず頬を赤らめた、この男は何度も彼女をピンチから救い出して見せた。

「兄貴が間に合って良かったよ!もう撤収してもいいんすっか?」小猿隊長は悟空を見て安心した。

「いや...まだ一番厄介なやつが残ってる、多分特撮映画みたいに巨大化しているつもりだろう」悟空にはわかるんだ、百眼魔君はまだまだ奥の手を残っている。

「じゃあ...どうすればいいの?」未夢は悟空をじっと見ながら問いかけた。

「お師さん、あれが必要だ。」悟空は頭の赤いスカーフを解いた。

「あ...あれってなんですか?」未夢は悟空の額の上に巻いている金箍を見て引き続き質問を投げた。

「緩箍咒だ。」


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