嘘遊記2 暴食の金ムカデ

むかし西遊の旅て、三蔵法師は一度盤糸洞の蜘蛛の七姉妹に囚われたことがあった、彼女たちの目的は三蔵法師の血肉、だが孫悟空と猪八戒の努力によって三蔵法師が救われて、七蜘蛛の全員を葬り去った。

しかし死んだはずの彼女たちが復活し、大雷音寺で待ち伏せする妖魔たちと一緒に集結して、三蔵法師ご一行を皆殺しの勢いだ。

100回以上の生まれ変わりを繰り返した三蔵法師、この2000年間も七姉妹はずっと三蔵法師を追い続けた。

だが今回、孫悟空は間に合った、三蔵法師のもとへ。

「孫悟空…まだ貴様か、本当にしつこい猿ね!」赤い蜘蛛がそう言った

「なんとでも言え、だが今回はお前らを逃がさん、全員まとめて地獄送りだ。」孫悟空は耳から金の針を取り出し、金の針が彼の力に応じて、悟空の身長と同じような鋼の棒に伸ばした。

「バカなことを言わないで!私たちがあなたみたいなサル如きに怯えてるとても思って!ただ上の命令が慎重に動くように言い伝えましたから、あなたから逃げるように見えただけだわ!」オレンジの蜘蛛が先手を打ちました、臍から蜘蛛の糸を飛ばして、悟空の如意金箍棒を糸で絡めた。

「どうりでお前ら妖魔を捕まえ辛くなったと思った、とっくに組織化したのか。」オレンジ色の蜘蛛だけじゃない、他の蜘蛛たちも相次いで糸を飛ばし、悟空を完全に拘束した。

「ふ...腹筋男!」唐未夢にとって今悟空への印象はただ全身が筋肉まみれなことだけ。

「お師さん、ちょっと下がってください。」火だ、あっという間に蜘蛛の糸を燃やし尽くした。

それこそが地煞七十二変化、悟空の得意技である、風や火を自在に呼ぶことができる。

「妹たち!かかりなさい!」赤い蜘蛛は糸だけじゃ悟空を拘束することができないと理解して、姉妹達て一斉にかかろうとした。

14本の黒き爪が一斉に悟空へ向かっていた、だが如意金箍棒はすでに束縛から離れ、金色に輝く一振りで、七蜘蛛を吹き飛ばした。

「たとえ指1本だけでも、お師さんを食ったことあるやつはなん匹とも逃さん!」目の前の妖魔は彼の師匠殺したことある仇だ、全員で2000年間ずっと逃れ続けられた。

悟空は強攻に出で 、上からの重い一撃で赤色の蜘蛛一瞬して圧倒した、それを見たオレンジ色の蜘蛛と黄色の蜘蛛がすぐに悟空に仕掛けた、それを見た悟空は如意棒を振り回し、二つの妖魔の8本の手に強く強く打ち込んだ。

「私、最近ファンタジー小説を見すぎてたのかな...」ずっと日常に過ごしていた未夢は目の前の光景が到底信じ難かった、蜘蛛の化物が人を食って、それを対抗し孫悟空が棒で迎え撃った。

それにそれら者達が彼女のことを三蔵法師と呼んだ、起こった出来事の全てはまるで小説のシーンのようだ。

「クソ!」緑色の蜘蛛がもう一度蜘蛛の糸で悟空の行動を封じようとした、だが斉天大聖に同じ技は二度通用しない。

「伸びろ!」如意棒が高速に伸びて、緑色の蜘蛛の腹を突き破った。

「四姉ちゃん!」姉が重傷を負ったところを見た青色の蜘蛛は、藍色の蜘蛛と一緒に悟空を攻撃した、如意金箍棒で腹が貫かれた緑色の蜘蛛は自分の四手で金箍棒を強く掴んだ、最後の力を振り絞って孫悟空の武器を封じた。

「七十二変化の術、霧隠れ」悟空は口から霧を吐き出して、霧で自分の姿を覆って、敵の視界から姿を消した。

そして少し経った後、一つまた一つの悲鳴が響いた。

「どこだ?孫悟空はどこにいるの?」周りを見回す蜘蛛達、霧が晴れた時、気づけば蜘蛛の数が減っていた。

「お姉ちゃん!」紫色の蜘蛛が青色と藍色の二人の姉が孫悟空に頭をちぎられたところを目撃した。

悟空は手に持った頭を捨て、再び如意棒握りしめた、そして一瞬にして緑色の蜘蛛を2つに分かれた。

「うわぁ...もうどっちが悪がわかんないよ!」未夢は残忍な悟空を見て、彼が妖魔を殺す手際があんまりにもあっさりして、蜘蛛の精が人を喰らう姿と比べられなかった。

「3匹目!」孫悟空の目から凶暴な光溢れ出した、この妖魔どもを殺すことこそが彼が千年の間の使命である。

「すごいじゃないか、斉天大聖様よ。」ガーデンの裏から男の声がした、それと同時に金色の光がカーテンを通して悟空に差した、すぐさまに悟空は自分が動けなくなったことに気づいた。

「先生!」残りの4姉妹がまるで救世主が降臨してるところを見ているようだ。

カーテンの裏に隠れた大きな影、ついに我慢できなくなった。

「百眼魔君か!」悟空はこの声に聞き覚えがあった。

百眼魔君、かつて西遊の旅路に会った強敵、丹薬や毒に長けていで、昔三蔵法師、猪八戒と沙悟浄の三人を毒殺しようとしていることがあって、最後は悟空が毘藍婆菩薩から借りた昴日星官の目の中で錬成した刺繍針を使って降伏させた。

「まだ会ったな、孫悟空。」 医者はカーテンから出て、彼の手の上に目が生えている、金色の光はその魔眼から飛び出ていた。

「油断しちまったなぁ...こんな弱い小物達にはリーダー格がいないと、とっくに私か天の軍勢によって滅びられたはずだ。」 孫悟空が歯を食いしばって、力尽くてこの束縛から離れようとしている。

百眼魔君のあの金色の光は生物を動けなくさせて、どんどん石化していく。

「まさか君達がこんなにも速く三蔵法師を見つけられるとは、今度こそ...誰も私達が三蔵法師の肉を独り占めするのを止められないぞ!」百眼魔君は手のひら以外にも全身から千個の目玉を開いた。

「クソ...お師さん!速く逃げてください!」孫悟空は自身の妖力の出力を高めていた、百眼魔君と蜘蛛の精ではレベルが全然違う妖魔だからだ。

「で...でも...」未夢はまだ状況を把握しきれず、戸惑っている。

「おい!早く逃げろってつってんだろ!」悟空はまだ束縛から抜け出せていない、もとより敵の数の方が多い、加えて百眼魔君も戦いに参加したので、このままじゃ戦いながら師匠を守りきれないと心配している。

未夢はそんな悟空に怯えて、すぐさま背を向け逃げた。

「君たちは三蔵法師を追え、この猿は俺が仕留める。」医者は笑っている、今の百眼魔君にとってもはや斉天大聖たとしても自分の敵ではない。

未夢は講堂から逃げ出していた、残りの4匹の蜘蛛の精は命令通りその後を追った。

「蜘蛛の精どもがすぐさまにお師さん手をかけられないだろう、今先にやるべきことはこの目玉野郎をなんとかしないと...あとこの学生たちも...」孫悟空は猿魔の姿を表に出て、髪の色も茶色に変わり、胸や手足から毛を生え出して、金色の光によって石化した体も、その石化を打ち破った。

ふっと悟空は三蔵法師が何回生まれ変わっても、彼に同じ言葉を言ったことを思い出す。

「誰であれ見殺しするわけにはいきません!」どんなに生まれ変わっても、男になっても女になっても...

「あぁ...分かってるとも...」その優しさだけは変わらなかった。

「地煞七十二変化、分身の術!」悟空は自分の髪の毛を頭から抜き出しそっと吹き出した、そした無数の救助隊の制服を着た小猿分身が目の前に整列した。

「兄貴!今回は何の用件ですか?」小猿の隊長が孫悟空に敬礼しながら尋ねた。

「あのガキどもを救い出せ、言うことを聞かなかったらそいつの意識を奪って運び出せ。」悟空は百眼魔君を睨みつけている。むかし戦った時、百眼魔君はすでに悟空一人の力で倒せる相手ではなかった、今のそいつはそれに加え、何度も三蔵法師の血肉で自身の力を強化していた。

「容易い御用ですよ~」小猿の隊長も耳から小さい金箍棒取り出して、返事した。

「それに、お前!お師さんを見つけ出してくれ、絶対に化け蜘蛛どもにお師さんを捕まえさせるな。」何匹かの小猿が孫悟空の革の上着を脱ぎさせ、代わりに青銅の鎧を着せました。

「ラジャー!」小猿の隊長が煙となってどこかへ去っていた、残った小猿達も学生たちの救助に向かった。

「お前、まだそんなくだらないものを構う暇があるのか、だからお前は何度も何度も三蔵法師が死に行く様をただ見てるだけで何もできないだよ!もう2000年だぜ、まだ飽きないのか?」百眼魔君から軽蔑の目をしている。

孫悟空が強く棒を振り、風を巻き、カーテンを吹き飛ばした。

百眼魔君の裏から死体が山ほど積もっていた。

「じゃあお前はこんなにも人を食ったから、まだ飽きていないのか?」 百眼魔君は人肉を暴食し、他にも人間の内臓を使って丹薬を作った。

「ハハハー飽きるわけないだろー、三蔵法師の肉の味を思い出すだけで、腹の減りが収まらないよ!」百眼魔君が笑い出した、100人以上の学生を食ってもまだ満足していないようだ。

「そんなに食べたいのであれば、俺の鉄の棒を食らえ!」悟空は前に飛び上がり、両手で金箍棒を振り上げた。

百眼魔君の左の目から光が輝き、そこから金色の気がどんどん集めてきて甲羅のようなバリアが形成された、そのバリアで悟空の攻撃を防せた。

「無駄な動きを、まだ力の差が分かっていないのか?」百眼魔君の金色バリアが非常に硬く、悟空が何回攻撃してもまるで効かないようだ。

「ならばこれでもくらえ、如意金箍棒!変!」 如意金箍棒。大きさや長さ以外にも外見や形も悟空の自由のままに変化することができる、だからどんな神や妖魔でも悟空に恐れている。

「如意機関砲!」長い棒がバルカンと姿を変え、無数の銃口が回転し始め、連射を始めた。

だが相変わらずバリアが硬い、百目魔君の右手のからも時折石化光線を飛ばし、バリアを突破できない悟空は回避するために飛ばし回り続けないといけない。

だが相変わらずバリアが硬い、百目魔君の右手のからも時折石化光線を飛ばし、バリアを突破できない悟空は回避するために飛ばし回り続けないといけない。

「兄貴!兄貴!まずいよ!」そんな時、悟空に小猿隊長から連絡が来た。

悟空のもみあげはブルートゥースイヤホンのように分身から連絡を受け取ることができる。

「なんだよ、お前の兄貴は今ボス戦してるんだよ、早く言え!」孫悟空はまだ現状打破の手段について悩んでいる 。

「このJK三蔵法師はただのアホなんすよ!」どうやら小猿隊長は三蔵法師を見つけ出すことができたが、かなり危険な状況に陥ているようだ。

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