とても興味深い内容でした。宗教団体の信者はなぜ、どんなに叩かれても信仰を捨てず、むしろ信仰を強めるのか。このエッセイでは特定の団体について書かれていますが、これは何かしらの信仰を持つ者のほとんどに当てはまることではないかと思いました。
有無を言わせずやみくもに信じさせるのではなく、そこには隙がないほど理論的に展開される理由がある、しかも普遍的なものと繋がっている。虹という言葉はこの作品のキーワードです。
筆者の立場は擁護でも批判でもなく、事実だけを述べています。頭ごなしに批判することよりも、なぜその思考回路へ結びつくのかを客観的に考える大切さを教えてくれます。
筆者の書いている通り、この問題は1万字では語り切れない深いもの。本作はその問題を考える上でのプロローグに思えました。またエッセイなり現代ドラマなり、何らかの形で続きを読めることを願っています。