自分で自分の道を導くことは出来ない。
悪いことが起きるのはなぜか? 毎日毎日、各人は自分のできることを精一杯にやっている。学生は学び、社会人になれば働き、家族がいれば養う。家庭を持たなくても税金を納め、仕事を持たなくても家事をする。けれど、普通に穏やかに日常生活を送っていても、問題は起きるのだ。
家庭内の問題、職場や近所でのトラブル。たとえそれらを回避出来たとしても、悲しいかな、事件事故に巻き込まれることもある。自分自身が病気になることだってある。全く何も無かったという人の方が珍しいのかもしれない。
テレビをつければ、政治家の不正行為や芸能人のスキャンダル。犯罪も大小様々で目を覆いたくなるし、耳を塞ぎたくなるものだ。
現役信者はこうした事柄をどのように捉えているのだろう? いや、自身が信者だった時、どう解釈していたのかをじっくり考え思い出した。
この問いに関しての答えは一つだ。自分で自分の歩みを導くことは出来ない。人間は不完全であり、生まれつき良心は持っていても罪を犯すように造られているということだ。では、罪を犯さないようにすればいいよね? って話だと思う。
が、しかし人間を操っている黒幕がいるのだ。どのように操っているのか?
ここで参照する聖書の言葉は一つ。要約するとこうだ。人間は自分を愛し、お金を愛し、傲慢で嘘付きで、他人を中傷し、自然の情愛を持たないと。
近い将来、神に滅ぼされることを知っているサタンは人間を道連れにしようと躍起になっているのだ。神が忌み嫌う特性を表すように仕向けているのだ。操り人形のように人間を扱う。人が人に暴力を振るい、命を奪うことを楽しんで見ている悪霊もいれば、性的虐待を見て楽しんでいる悪霊もいる。夜な夜な現れて精神的に追い詰めることを楽しんでいる悪霊もいる。もう一度確認するが、それが真実かどうかを論議するつもりのエッセイではない。
───メディアで叩かれても動じないのはなぜか? むしろ信者の信仰心が揺らがないのはなぜか?
これがこのエッセイのテーマだからである。
現役信者は属する組織以外の人間をこの世の者と呼ぶ。そしてその人間を神に是認されない者として必要最低限しか接触しないよう教えられている。ぶっちゃけ、近い将来、神に滅ぼされる者として憐れみさえ抱いている。
ゆえに不正行為をした政治家を金を愛する者とし、性の不道徳を犯した芸能人を自分の欲に負けた者と見下す。ネグレクト、虐待事件、イジメ犯罪やモラハラ、パワハラ、DV 、傷害や殺人事件に至るまで自分を自制出来なかった自制心や愛情に欠けた者とみる。
世の者をそう見るのであれば、同じ信者に対してはどう見るのだろうか。キリストの弟子にふさわしくない者、悪霊にスキを与え餌食になった信仰心の弱い者と見る。
だから、たとえ同じ組織の信者が不正行為をしようが、性的虐待で訴えられようが動揺することはない。むしろ神が物事を正しているのだと全幅の信頼を持って静観する。
犯罪だけではなく、間違った自己解釈で行きすぎた鞭打ちをした者が訴えられても我関せずでいられるのだ。これは教団幹部だろうと本部幹部だろうと同じこと。
人間は不完全であり、自分で自分の歩みを導けないのだから、人間崇拝はしない。ゆえにどんな立場にあっても失望して自分の信仰を捨てることなどないのである。
さらにキリストの言葉が信者の思いを強くする。それはキリスト・イエスが信者を世から選び出したので、貴方たちは世から憎まれるのだと。いわゆる選民意識を高めるイエスの言葉である。
信者ではなくなった人を、たとえ愛する家族であっても忌避するのはこの選民意識のせいである。一人一人が家族よりも神を第一にする生き方を選び献身したので、何があっても動じることはないのだ。
メディアで叩かれれば叩かれるほど、迫害されればされるほど、イエスの弟子であり、神に選ばれた者だという意識。喜びの方が強くなるのである。
これは世界中の信者に通じること。兵役を拒否し中立を保つ信者が刑務所に入れられようが、強制収容所で何十年過ごそうが、命を奪われるまで忠誠を保ち続けた例がそのことを裏付ける。過去にはナチスの支配下で、現在も韓国やロシアで同じことが起きているのだ。彼らは何があっても神に対する忠誠を保つ。それをリアルタイムで聞いている他国の信者たちは神に対する全き専心を示している仲間のために祈る。
令和時代、平和な日本でそうした情報に接する信者たち。いつ自分の身に降り掛かってもいいように、仲間の経験談を糧に信仰を育てているのだ。組織が弱小化することがない一つの大きな要因である。信仰の戦い立派に果たし、殉教することも厭わないのがこの宗教組織の根幹なのだ。衰退することがないのも頷ける。うん。
ここまででメディアに叩かれても動じないのはなんとなく理解出来たよ。でもさ、事件や事故、犯罪のニュース以外にも生きていれば不安なことってあるよね?
世界を見れば戦争や流行病、食糧不足や大きな地震など、さすがに将来が不安になって神様どころじゃなくなるでしょ?
そう思ったあなた、違うんですよ。
次回、終わりの日の予言の成就が信者の信仰を強める。
乞うご期待!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます