第22話 掲示板回その3&正体バレ
【超新星】おパンティン総合スレpart334【おパンティンTV】
558 パンティをかぶった名無し
俺、明日パンティ買いに行こうと思ってるんだけど、誰か一緒に行ってくれない?
559 パンティをかぶった名無し
いいね。俺もパンティ欲しいって思ってたけど、二十八歳無職引きこもりだから一人で行くの恐くってさ
560 パンティをかぶった名無し
>>559
お前はまず働け
561 パンティをかぶった名無し
>>560
いや、だから探索者として働くんだよ。探索者としてやっていくにはパンティ被らないとだろ?
562 パンティをかぶった名無し
>>561
探索者になるには資格が必要やで。実技試験もあるから、引きこもりがいきなり探索者になるのは無理
563 パンティをかぶった名無し
資格より先にパンティ買おうとしてるの草。パンティ被ってる探索者なんておパンティンくらいだわwwwww
564 パンティをかぶった名無し
いやいや、こっから探索者と言えばパンティをかぶるのが当たり前の時代になるかもだぜwwww
565 パンティをかぶった名無し
なお、既に通販サイト”danjon”ではランキング一位から十位をパンティが独占してる模様
566 パンティをかぶった名無し
俺、蛍光グリーンのブリーフすでに持ってるんだけど、これじゃダメかな?
567 パンティをかぶった名無し
>>566
今すぐ捨てろwwwww
568 パンティをかぶった名無し
>>566
お前配信にいただろwwwマジで笑ったわwww
569 パンティをかぶった名無し
>>566
なお、通販サイト”danjon”で、蛍光グリーンのブリーフランキング八位に入っている模様
570 パンティをかぶった名無し
おパンティンの影響力エグすぎるwwww
571 パンティをかぶった名無し
いやいや、キミたち何言ってるんだい? 別に全然凄くないじゃんこんな底辺配信者
572 パンティをかぶった名無し
>>571
お前生配信のコメント欄にもいただろwwwwいつまで粘着してんだよwwwww
573 パンティをかぶった名無し
>>571
アンチとかまだいたんだwwwww
574 パンティをかぶった名無し
>>571
俺反転ファンになったものだけど、一刻も早く反転することをお勧めする
575 パンティをかぶった名無し
>>571
どうせ二宮の顔ファンなんだろうけど、パンティから見えてる部分だけでもおパンティンもイケメン確定してるから、今のうちに乗り換えた方がいい。
576 パンティをかぶった名無し
>>571
・身体を変形させる新種の魔法を使う
・魔物との戦闘は魔法を使わず基本的に素手で倒す
・ミスリルスライムに素手で穴を開ける
・上層を二十分そこそこでクリア
・オークをバフ魔法? で進化させる
・中層を世界新記録で攻略
・ダンジョンの主という存在がいることを知っていた(つまり、ダンジョンの最下層まで潜った可能性あり)
・魔剣持ち、ミノタウロスを千切りにする
・新種の
・新種の
・火竜をひのきのぼうで真っ二つ。動画がフェイクじゃないことを証明する
・同接三十万人突破
・世界最短で登録者百万人突破
・切り抜き動画は軒並み1000万回再生越え
・日本はおろか世界でもバズりまくり
これのどこが凄くないのか説明してくれ
「……ぐぬぬ」
ボクは、頭を絞って考え出した反論を、キーボードに叩きつける。
577 パンティをかぶった名無し
>>576
は? 普通にこんなのトップ層の探索者なら余裕でできるけど、そんなこともしらないのか? 例えばだけど、二宮アレンなどはできるんだろうね
578 パンティをかぶった名無し
二宮wwwアレンwww笑わせてくれるわwwww
579 パンティをかぶった名無し
>>577
お前二宮アレンだろwwww
580 パンティをかぶった名無し
自作自演乙www
581 パンティをかぶった名無し
>>577
二位宮さん、再び二位が定位置になった気分はどうですか?
582 パンティをかぶった名無し
>>577
二位宮さんもパンティ被ったら強くなれますよwww
583 パンティをかぶった名無し
今日はアレンくんでシコるかぁ。見ててね
「なんなんだ!!」
ボクはノートパソコンを力まかせに閉じた。バキンと嫌な音がしたけど、今はもうどうだっていい。
ボクの努力は、完璧だった。
ここ三年、SNSで伸びるにはどうしたらいいかって勉強をいっぱいして、時にはプライドを捨ててアイドルみたいなことまでやって、順調にフォロワーを伸ばした。
そして、そのフォロワーたちの力を利用して、『この探!』でもぶっちぎりの一位になった……なるはずだった。それなのに。
「なんで邪魔されなきゃいけないんだ!!!」
我慢できなくて、再びパソコンを叩きつけると、今度は机ごと真っ二つになった。まあいい。お金ならいくらでもあるし、新しいのを買えばいい。
ともかく、これではっきりした。このおパンティンとか言うふざけた配信者の正体が。
なぜ、今まで気づかなかったのか……顔に被ってるあのパンティ、妙な魔法がかかっているからだ。こちらの認識を阻害してきやがる。小癪なことを……!
「迷宮……!」
【ヒストリアの希望】絹塚迷宮。
「あいつ、弱くなったフリをしていたんだな……!!」
ヒストリアは早熟で、同じ貧弱ヒストリアどもから下駄をはかされることが多いから、大したことない子供ヒストリアでも神童扱いされたりする。そして、中学生になる頃には全員消えていくのだ。
絹塚迷宮も、その例にもれず消えていった……はずだった。
「こいつ、どういうつもりなんだ……!」
なんで弱くなったフリをしていた? 奴は他の偽神童と同じく、探索者学校でずっと
奴がこの配信程度の実力を発揮していたら、そんな生活もすぐ終わってた。それなのに、なぜ隠していた?……ああもう、わかんない! わかりたくもない!
「……僕は純潔エルフだぞ! あんな劣等種の考えてることなんか、わかってやるもんか!」
ボクは、あいつと違って、生まれながらのエリートだった。
純血のエルフを示す、赤い髪と赤い瞳。生まれた時から、成人のエルフを超えるほどの魔力量を持ち、五歳の頃には五大元素魔法を全てマスタークラスまで極めた。
そして、そんな魔法の才を超えるくらいに、剣術の才にも恵まれた。どの魔術大会でも剣術大会でも、一位が当たり前だったんだ。
あの頃のボクの人生は、勝利で彩られてきた……あの日、まるでつい先ほどまでダンジョンに潜ってきたようなボロボロの絹塚迷宮に、敗北するまでは。
「いや、敗北じゃない。あんなの、審判員の忖度だ……!!」
子供の剣術大会は、寸止めが基本。よって、勝敗は三人のレフェリーの判定で決まる。そんな条件下では、純ヒストリアの迷宮に勝てるはずがないんだ。
今の時代は非常に奇妙で、ボクのような選ばれし純潔エルフは、多様性に反すると非難されるのに、迷宮のような純潔ヒストリアにはそんな批判は一切ない。
結局のところ、このどうしようもない劣等種は数だけは多く、奴らの意見がいつだって多数派になってしまうんだ。
そんな多数派の圧力に忖度して、審査員は毎回迷宮に投票した。それからというもの、ボクは剣術大会でも魔術大会でも、迷宮に続いて二位になるようになった。
所詮子供の大会だったけど、ネットのエルフコンプの連中にとっては、エルフがヒストリアに負ける様は最高の肴だ。ボクが二位なことを”ざまぁ”とでも言いたげな意見が飛び交って、やがてボクは
ありえない。ボクは、いつだってトップに立つべき男なんだぞ。そんなボクが、
「ふざけなるな!!!」
……迷宮がもう一度表舞台に立てば、またそのような愚かしい意見が、ネットに溢れてしまうに違いない。事実、掲示板にはすでにおパンティンを引き合いにボクをバカにするコメントはいくつも見られているのだ。
「手遅れになる前に、迷宮を消さないと……しかし、どうやって?」
一番簡単なのは、奴を殺してしまうことだ……しかし、奴がいくらゴミヒストリアでも、殺したら犯罪になってしまう。
偽名だし顔を隠してるし、正体を隠したがってる? 「正体をバラされたくなかったら今すぐ引退しろ」って脅しつければ……奴のことだ、平然と、「え? 別にいいけど?」とか言い出しそう。
「というか、何なんだおパンティンって!? そんなキャラじゃないだろ!!」
……そんなキャラじゃない、と言えば、中層の最終階。
あの魔剣、鞘から少し刀身を抜いた瞬間、ボクでも捉えるのが難しいレベルの極薄の魔力の刃が、幾重にもミノタウロスに襲い掛かった。
ネットの馬鹿どもは、奴が素手で魔物を殴殺できるからと言って、別にすごくないとか言っていたが、とんでもない。あの魔剣こそ、やつの奥の手に違いないのだ。
一流の探索者でも、初見で回避は絶対に無理。でも、こうやって映像に残ってくれたのなら、いくらでも研究し放題だ。奴が、それをわかってない訳が無い。
なんで奥の手を出してまで、あのオークを助けた? 好感度稼ぎ?……いや、奴にそんな器用な計算ができるとは思えない。
「まさかこいつ、本気で魔物相手に友情感じている……?」
あり得ない、話じゃない。
同じクラスのボクが知る限り、やつに友達らしき人はいない。
そんな根っからの陰キャの奴なら、ダンジョンみたいな地下に潜ってジメジメ生きてる魔物に、本気で友情を覚えててもなんらおかしくないはずだ。
「……そう、そうか。それはまた、大きな弱みを見せてくれたな」
果たして、そんな大切なお友達と、配信活動、キミはどちらを取るのかな……?
「ふはっ、ふははっ、あーはははははははっっっ!!!」
「もう、さっきから騒がしいわよ! 何か面白いことでもあったの、アレンちゃん?」
と、その時、扉が開き、うちの母親がひょこりと顔を出す。
「……おい、クソババア、勝手に部屋に入るなって言ってるよな」
「ふふ、残念でした、ノックしたもんっ……って、どうしたのこれ!?」
ババアはズカズカと部屋に入ってくると、机とパソコンの残骸を見て、「もったいないわぁ……」とため息をつき、半眼でボクを見た。
「もしかしてまたオ○◯ーしてた? イキそうになった時男優の顔がアップになったから思わずパソコンを壊しちゃったってわけ? もう、そうとなったらそのAVの制作会社にクレームをいれなくちゃね!」
「……おい、その薄汚い口を今すぐ閉じろ。クソババア」
「まぁ! そんなこと言う悪い子はお口でいじめちゃおうかしら! あ、でも、アレンちゃんはいじめる方が好きなのかしら。お母さん、息子の性癖に理解のある母親だけど、あんなにハードなSMはちょっとどうかと思うわぁ。あんなの女の子壊れちゃうわよぉ」
「ぶっ殺すぞ!!!!」
ボクが手のひらに炎魔法を展開すると、ババアが「いやぁ、壊されるぅ♡」と嬌声をあげる。ああ、もう無理。絶対に殺す。
「こらこら、お母さん、あまり過干渉するのは良くないよ」
すると、騒ぎを聞きつけたお父さんが、メガネをクイっとあげながら部屋に入ってくる。
「アレンくらいの年頃になると、唐突に笑い出したり、部屋の隅っこを見て、『気づいてないとでも思ったのか?』とか言い出すものなんだ。受け入れなさい」
「あ、厨二病ってやつね! 可愛い可愛い! よちよちよちよちよちぃ!!!」
ボクの頭を乱暴に撫でるクソババア。殺意が限界突破すると笑ってしまうのだと、非常に勉強になった。
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