第5話

「ふはははは!作者に勝てると思ったか?」

紫明はオセロの石を投げつける。

このはには黑、私には白の面で当たるとそれぞれの肌の色を黒く、白く染める設定らしい。

「穴熊!」

自分でも解らなかった。  

咄嗟に出た言葉とともに、私とこのはを将棋の駒たちがガードする。

カンカンカン。

紫明の投げたオセロは弾け飛び、大人しく盤の上に並んだ。

おっとりしたこのはを包む尋常じゃないオーラ。

怒りだ。

「香車アターック!」

射程は2m。

しかし運良く敵はそこに居た。

香車が紫明のちんぽと心臓を貫く。

「カハッ」

息絶えた。

何故か薄笑いを浮かべて。

きもちわるい。

あれ?

作者殺しちゃったよ。

5話にして作者が死んじゃった。

それでも私たち、手を取りあってきゃあきゃあ。

仲良くなりたかったんだもん。

サンキュー紫明。

むくりと起きた。

ゾンビかよ!

「くだらない。もう、やめっか」

蚊の鳴くような声で、ぱたん、と倒れた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る