第2話

俺は、戦場に行っても無力なんだ。

『ほんとうにいくのかい?』

『ああ、母さん。必ず平和にして生きて帰るよ』って約束したのに。

「馬鹿野郎……馬鹿野郎」

すると、何やら届きモノが届いたようだ。

「なんだ、俺は今、何もしたくないんだ」

「いえ。こちらは確かに尚哉さまに受け取ってほしいと申し伺っております」

中身を恐る恐る開ける。すると、

「———アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァ!」

確かに人の右手首が梱包されていた。そして手紙を読んでみる。

『申し訳ございません。ご家族をお守りすることが出来ませんでした』と。

頭が、重い。意識が、朦朧とする。

「おい!!!どうした!!!尚哉!!!尚哉!!!」


現代。

パソコンがオーバーヒートして、尚哉が戻ってきた。

「だ、大丈夫?長谷川くん」

「ア————ア」

手も体も震え上がっている。自分でもどうかしているくらい。

「相当、嫌なものをみたのね……」

「手が………手が………家族も……死んだんだ」

「これは詳しく調べる必要がありますな」

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