平穏な日々
アリシアの魂の告白から一日経ち、朝となった
目を覚ますと、横になにかいる
見てみると、昨日婚約したハクがシンのベッドに潜り込んできていた
ハクはぴったりとシンにくっつき、離れようとしない
シン「ハク。朝だよ、起きてね。」
ハク「うぅ〜ん…むにゃむにゃ…( ˘ω˘)スヤァ~」
起きる気配は全くない
シン「う〜ん…困ったなぁ…ハク〜?起きたら何でも言うことを1つ聞いてあげるよ?」
その言葉を聞くやいなやハクは目を覚ます
ハク「ほんと?!言ったからね?嘘でしたはだめだよ?」
シン「ハク?まさか起きてた?」
ハク「……………えへっ♡」
ハクは寝たフリをしていたようだ
しかし、言ったことは取り消せない
ハク「ちゃんと聞いてたからね?後でお願い聞いてね?」
シン「はめられたね…まぁいいかな。かわいい婚約者の頼みだもんね。無理難題じゃなかったらいいよ。」
ハク「やったー!!!何にしようかな〜♪」
シン(こんな日もいいね…)
シンとハクのやり取りが一段落した時にアリシアが入ってきた
アリシア「おはようございます、ご主人様。朝食の準備が整いましたので呼びに参りました。」
シン「アリシア、おはよう!分かったよ。すぐ行くね。」
シンとアリシアが朝の挨拶を交わすと、ハクが何かをひらめいたような顔をする
ハク「そうだお兄ちゃん!今日って何もなかったよね?」
シン「確かそうだけど…どうかした?」
ハク「アリシアお姉ちゃんは?」
アリシア「そうですね…雑務が終われば特に何もありませんね。」
ハク「ならお兄ちゃん!さっきのお願い聞いてもらうのは今使うね!お兄ちゃんとお姉ちゃんとハクでデートに行こう!」
シン「う〜ん…いいよ!アリシアはどう?」
アリシア「私も問題ありません。」
ハク「あ、アリシアお姉ちゃんも今日のデートは婚約者として行くからメイド服じゃなくて、ちゃんとお洒落してきてね!」
アリシア「わ…分かりました…」
シン「そういやハク?デートするなんて僕からお願いしたいことだし、権利は使わなくていいよ。」
ハク「そうかなぁ…?まぁお兄ちゃんがそう言うならそれでいいや!」
ということでデートすることに決まりました(唐突)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
アリシアの雑務が終わり、全員が着替えて準備が完了して、出発することになった
待ち合わせをするなんていうプランもあったが、どうせなら家から一緒に行くというほうがいいというハクの意見が通り、並んで歩いていく。
ハクとシンは王都の町並みを見るのは馬車の中からだけであり、歩くのは今回が初めてであちらこちらを興味深そうに眺めている。
アリシアは冒険者時代に来たこともあるのだろうか、そんな2人を微笑ましそうに見ている。
ハク「お兄ちゃんあれなんだろう?!」
シン「なんだろうね?行ってみようか!」
興味を惹くものを手当たり次第に見に行って楽しんでいる
すると前方に服屋が見えてきた
ハク「あ!服屋さんだ!お兄ちゃん!お兄ちゃんに服を選んでもらいたいんだけどどうかな?」
シン「いいよ。じゃあ行こうか。」
そう言ってシンたち一行は服屋へと入っていく
店員「いらっしゃいませ~本日はどんな服をお求めでしょうか?」
シン「う〜ん…そうだね…女性が着る服はどこにありますか?」
店員「女性服はこちらにありますよ。ご案内しますね。」
店員の案内でシンたちは奥へと入っていく
店員「こちらが女性に人気の服となっております。」
シン「ありがとうございます。」
シン(結構いっぱい服あるね…どうしようかな…)
ハクとアリシアはシンに期待を込めた視線を送っている
シン(そうだなぁ…ハクは可憐な格好が似合うだろうしワンピース系かな?アリシアは10歳だけどまだまだ少女然としていて、でもクールな感じだからね…並んでみると姉妹と言っても違和感ないし…よし!決めた!)
シンは2着を手に取った
1つは白のワンピースではあるが所々にレースが使われており、可憐なハクによく似合う
もう一つは、青色のワンピースで、所々に花の意匠が施されており、アリシアのククールさの中に垣間見える可愛さをイメージした
どちらも似たようなものではあるが、姉妹に見える2人にとってはよく似合っている
ハク達は受け取ると満面の笑みをしながら、試着室へと入っていき、着替える
着替え終わると出てきて、シンに見せる
ハク「どう?お兄ちゃん?似合ってるかな?」
シン「似合ってるよ!ハクの純粋さが全面に出てるね。」
アリシア「私にはこんな可愛いのは似合いませんよ…」
シン「いやいやとっても似合ってるよ!アリシアの雰囲気にマッチしてるね。」
シンの言葉に顔を赤らめるアリシアであるが、その顔には笑顔が浮かんでいた
シン「よし…じゃあこの2つを買おうか!」
金額は決して安くはなかったが、2人の笑顔を見れたシンは満足していた
その後も昼食を済ませ、買い物をしていると、とある商店が目に入った
そこでは彫刻などをおいているが、すごく丁寧な細工がしてあり、一際目についた
シン「ちょっとここに寄ってみてもいい?」
アリシア「どうかなさいましたか?」
シン「この店の商品が気になってね…」
ハク「お兄ちゃんが行きたいなら行こうよ!」
ということでレイクス商店に入っていった
店内を物色していると、多種多様な雑貨品が置いてあり、中でも木彫りの商品の細工は見事なものであった
シン(ここならもフリーナから頼まれていた娯楽を広める計画が進められそうかな…?)
すると…奥から男性が出てきた
男性「なにかお探しでしょうか?」
シン「いえ、ですがこの店の商品の出来がすごくよくて見とれていました。」
男性「ありがとうございます。この店の商品は私自身が目利きで仕入れたものであり、自慢の逸品ばかりです。あ、申し遅れました。私はこの店の店主のレイクスと申します。」
シン「僕はシンといいます。レイクスさん。初対面でお願いがあるのですが…こんなもの作れたりはしませんか?」
レイクス「どんなものでしょうか?」
シンは計画の一端を開始するためにこの店の協力を仰いだ
まずはリバーシブルを作ろうとしていた
シン「縦横8マスの板を作ってそのマス分だけ表が白色で裏が黒色の丸い物を作りたいのですよ。サンプルはこれです。」
シンはバックから取り出すふりをしてリバーシブルを創造して取り出す
レイクス「これは…?」
シン「これをリバーシと名づけて売ろうかなと思いまして…レイクスさんであれば腕の良い職人さんも知っているでしょうし、商売の才もあるでしょう?なのでお願いしたいのです。」
レイクス「分かりました。ですがこれをやってみなければ分かりません。少し教えてもらっても?」
シンにレイクスはルールを教えてもらって、数戦やった
すると、
レイクス「これは面白い!ルールも簡単ですし、子どもから大人まで楽しめそうです。試してみましょう。リエナ!ちょっと来てくれないか?」
奥からシンと同年代くらいの女の子が出てきた
リエナ「お父さん呼んだ?あれ?お客さん?」
レイクス「あぁ。シンさんというようだ。それと少しこっちに来てこれをやってみてくれないか?」
リエナもルールを教えてもらい、数戦やるとハマった
リエナ「これ楽しいですね!シンさんこれは流行りますよ!」
リエナもレイクスもこれを気に入っている
レイクス「これは商会をあげて取り組んだほうがいいですね…少しお待ち下さい。」
レイクスは何やら計算している
レイクス「リバーシは平民用と貴族用で分けたほうがいいかもしれません。平民用はこのままで貴族用は少しばかり豪勢にしたほうが差別化も図れて売れると思います。」
シン「分かりました。僕は商売についてはよく分かりませんのでそちらにおまかせしてもよろしいですか?」
レイクス「了解しました。では取り分を決めましょうか。」
シン「僕は売上の3割でいいですよ。初期投資も行いますし。」
レイクス「そんな!いいのでしょうか?」
シン「いいんですよ。皆が楽しめるものを広めたいだけですしね。」
レイクス「………分かりました。では諸々の契約事項を書き込みますのでお時間を少しもらいます。」
そうして契約書が完成した
レイクスとシンは契約書を交わし、レイクス商会がリバーシを販売する事になった
この世界では契約書を交わすと契約神に契約書を捧げる
すると契約事項を遵守しなければ、神罰が下る
更に特許事項に関しては向こう5年間誰もそのものを作れなくなるという万能加減である
シン「ではこれから宜しくお願いします。出来上がりましたらカルミナ家へ届けてくれませんか?」
レイクス「え?カルミナ家?まさか…」
リエナ「シンさんってまさか貴族様…?」
シン「ごめんなさい。本名を言ってませんでしたね。
僕はシン・カルミナと言います。まぁもうすぐアストラになりますが…」
レイクス「シン・カルミナ樣?!カルミナ様と言えば王女様を盗賊から守ったと有名な方ではないですか!申し訳ありませんこのようなところで!」
シン「いえいえ大丈夫ですよ。これから長い付き合いになるので…それでは宜しくお願いします。」
レイクス「分かりました!商会の全力をもって作らせていただきます!」
リエナ「シン様ありがとうございました!」
そうやって商談は終わり、リバーシが発売される手はずは整った
因みにハクとアリシアは2人でリバーシをやっていたが、アリシアがボロ勝ちしていた
その後発売されたリバーシは飛ぶように売れ、レイクス商会の名が広まるのは先のお話…
屋敷に帰り、明日の懇談会に向けて最終準備を進め、
就寝の時間になり、皆に挨拶をして眠る
案の定ハクは布団に潜り込んでいたが、今回はなんと獣化してモフモフになり、シンが寝ている間にハクのモフモフを楽しんでいたのは別のお話…
後書き
閲覧頂きありがとうございました!
次回も宜しくお願いします!
作者のデート経験がなく、なおかつ女性服にも精通しておりませんのでこれが限界でした。
あらためて拙いものになってしまったことをお詫び申し上げます。
誠に申し訳ありませんでした!orz
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