疾き者達の戦い
シン一行はのんびりと戦いながら森の奥へと進む
しかし戦えば戦うほどアリシアが考え込むようになる
アリシア「……………………?????」
シン「どうしたのアリシア?何かあった?」
アリシア「いえ…ご主人様…少しお聞きしてもよろしいですか?」
シン「?大丈夫だけど…どうかした?」
アリシア「なぜご主人様はそんなにもお強いのですか?
ステータスでは確かに5歳児とは思えませんでしたが私よりは値が低かったです。しかし、動きは私と同等、もしくはそれ以上を感じます。」
シン(ヤバい?!初めて冒険できるからワクワクしてステータスのことを失念してた!どうやって誤魔化そう…)
シン「そんなこと無いと思うけど…アリシアの勘違いじゃない?」
アリシア「………さらに言うのであれば、ステータスに記載されていた魔法は火魔法と雷魔法のはずなのですが、なぜ水魔法であるウォーターボールが使えるのでしょうか?」
シン(?!?!?!使っちゃってた?!もう逃げ場ないじゃん!)
シン「ウォーターボールなんて使ってたっけ?見間違いじゃないかな?」
アリシア「極めつけはどこからその剣を取り出したのでしょうか?いや?どうやって作り出したのでしょうか?」
シン(あ、駄目ですねこれ…バレテーラ)
シン「アリシア…もう気付いてる?」
アリシア「はい。あのステータスは偽装されたものだとはバレています。」
シン「そうかぁ…バレてたか。どうしようかな?」
アリシア「そうですね…ご家族には明かしても良いのではないかと愚行します。何かあった時に露呈するよりも先に報告しておいたほうが対処が早くなりますので。」
シン「そうかもね…まあいいや後で考えよう。先ずは冒険しないとね!」
その後シンはバレたということで隠すことをしなくなり、本来のステータスに慣れる為に、全力で戦える相手を探し始めた。
シン「フンフンフフフ〜ン♪強い敵いないかなぁ〜?♪」
後ろから少し引きながら付いてくるアリシアを後目に
奥へ奥へと突き進む
すると木が生えていない場所に出ると、何かが高速で近づいてくる気配がした
エリス「強い個体反応を感知!来ます!」
エリスの報告が終わるやいなや巨大な影がシンを包む
???「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!!!」
豪快な叫び声と共に現れたのは巨大な狼であった
エリス「対象を鑑定………鑑定結果を表示します。個体名神狼〈フェンリル〉神の眷属として地上を護りし者の名を冠する。相手は非常に強いです。お気をつけて。」
シンはエリスの鑑定結果を聞き、目を輝かせる
シン「いいねぇ…!カッコいい!そして強そう!戦いたい!」
シンは創造でこの戦闘に耐えられそうなぐらいの刀を創り出す
その刀は刃紋が綺麗に入っており、切れ味の高さが伺える
すると…
フェンリル『なにゆえ我の領域に入ってきた?返答次第では容赦なく食い千切るぞ!』
どうやらフェンリルがシンに対して話しかけてきたようだ
シン「理由は僕と戦える相手を探してたから!貴方はとても強そうだ!1戦お願いしたいです!」
と何ともおかしな理由を話した
しかし…
フェンリル『信じられないな…そんな理由で我が領域に入ってくるやつが居るとは…良いだろう。真偽を確かめるためにも戦ってやろう!』
シン「ありがとうございます!フェンリルさん!」
その一言でシンVSフェンリルの1戦が始まった
フェンリルが目も止まらぬ速さでシンに対して接近し、大きな顎で噛みつこうとするが、シンは素早く上空に飛び上がり牙を躱す
すると逆にシンは刀を構えながら落下し、フェンリルの頭を狙う
フェンリルは素早く後退りし、始めの位置へと戻る
すると今度はフェンリルが体に雷を纏い始めた
シン「へぇ!フェンリルさんは雷魔法が使えるんだ!」
フェンリルは雷を纏うと先程の速さの数倍も速くシンに対して体当たりを仕掛ける
シンは上空に避けながら攻撃しようとするが、刀を伝って雷撃がシンを襲う
シンは刀を取り落としてしまう
好機と見たのかフェンリルはここぞとばかりに連撃を仕掛けてくる
しかしシンは身体強化を発動し、余裕を持って躱わしていく
アリシア「…………凄い……」
アリシアからすれば次元の超えた戦いに見えるであろう
いくら動体視力に長けた種族の獣人族であろうとも、
いわば神速と言っても過言ではないほどの戦いは、目で追えというのは酷な話であろう
埒が明かないと見たのかフェンリルは雷魔法が1つ
雷球〈サンダーボール〉を放つ
同じくシンもサンダーボールで応戦し、膠着状態となる
シン「フェンリルさん強いね!楽しいよ!」
フェンリル『我がスピードに付いてくるどころか先を往くか!クククッ…面白い!汝!この1戦は各々最も疾き技をもって決着としようではないか!』
シン「いいねぇ!そろそろ決着としようか!」
するとフェンリルは先程纏っていた雷の他に紫色の雷を纏いだした
フェンリル『我が最速の技〈紫電〉これをもって汝を迎え撃とう!』
それを見たシンは青白い雷を纏いだした
シン「そっちが紫電ならばこちらは雷神〈ブリュナーク〉だ!いくよ!」
その掛け声の下、両者は交錯し、一瞬の静寂を迎えた
ドサッ…………
交錯した後、その場に立っていたのはシンであった
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