魔の森

アレックス「今日は我が息子のお披露目会においでくださり誠にありがとうございます。堅苦しい挨拶はなしで、早速息子の方からの挨拶をもって会を始めたいと思います。」


シン「ご紹介に預かりました。シン・カルミナと申します。今日は私のお披露目会においでくださり、ありがとうございます。今後も精進してまいりますので何卒宜しくお願いします。」


シンは頭を下げる。

しかし、何時になっても声が聞こえてこない

不安になり頭を上げると、来客者は全員ぽかーんとしていた

アレックスが苦笑しながら、


アレックス「こんな挨拶ができる5歳児がいるものか。

皆驚いて固まってしまっているぞ。」


何故こうなったかをようやく理解したシンは苦笑する


アレックス「我が息子は聡明な子であろう?鼻が高いが、そうも言ってられん。せっかくの料理が冷めてしまう。さっさと乾杯してしまおう。」


その言葉で我に返った人々は各々飲み物を持ち、乾杯をする

その後、途切れること無く来客者の挨拶があり、シンはぐったりとしている。

会もお開きとなり、皆が帰ったあと自室で、


シン「(´Д`)ハァ…疲れた…なんであんなに人が来るの…」


アリシア「仕方ありませんよ。カルミナ家は伯爵家ですので、呼ぶ人も必然的に多くなりますし、なにせ取り入ろうとする人も多いですからね。」


シン「もう外出たくない…」


アリシア「そういうわけにはいきませんよ。数カ月後には王家主催の懇談会がありますので、そこまでにお召し物をこしらえなければなりませんしね。」


シン「あぁ…もうやだ…今日は寝る…おやすみなさい。」


シンは寝てしまった

アリシアはそんなシンを愛おしそうに見つめている

次の日になると


シン「そうだ!ステータスもスキルも得たし狩りに行こう!」


シンは体を動かしたくなり、カルミナ家の領内にある魔の森に入ることを決めた

魔の森は世界的にも有名で、浅いところはゴブリンなどの弱い魔物しか出てこないが、奥の方に行くとオーガやポイズンサーペントといったなかなかに強い魔物、極めつけは最奥部にはドラゴンがいると言われており、超危険区域とされている

まぁ神域での経験があるシンにとっては児戯に等しいかもれないが…

そんなこんなであっという間に準備していると…


アリシア「もう…ご主人様…どちらへ行かれるのですか?」


シン「えっとねぇ…魔の森!あそこなら楽しめそうだからね!」


アリシア「……分かりました。ですが万が一のため私も連れて行ってください。」


シン「え……?大丈夫?」


アリシア「大丈夫です。これでも結構強いのはご存知ですよね?一応冒険者の中ではSランクで剣姫とも呼ばれてましたし…」


シン「まぁ…そう言うなら…」


ということでアリシアもついてくることになった


シン「そうだ!行く前に…創造!"マップ""索敵""適応""付与""アイテムボックス"これぐらいかな?更にエリス!これってエリスも使える?」


シンがエリスさんではなくエリスと呼ぶようになったのはエリスからのお願いであった


エリス「問題ありません。」


シン「じゃあマップと索敵を統合しておこうか。」


そしてアリシアにも


シン「アリシア、少し動かないでね。付与"絶対防御"

これでよし!」


アリシア「あの…これは…」


シン「ん?これはね攻撃を受けても怪我しなくなるんだよ!大切な人に傷ついてほしくないからね!」


アリシアは顔を赤く染めてしまう


アリシア「ありがとうございます…///」


シン「???まぁいいや。よし!準備が整ったし早速行きますか!」


そう言ってシンは時空間魔法の中のワープを使う

ワープは本来行ったことのあるところにしか行けないが、シンは領内を両親に連れられて移動したことがあるため問題なく飛べた


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




シン「よし!じゃあ奥目指して進んでいきますか!」


アリシア「え?」


アリシアはいきなり景色が変わったことに驚いて、口を開けたまま固まってしまっている

シンはアリシアの驚きを知らず、ノリノリで奥へ奥へと入っていく

アリシアは夢だと思いながらも、どんどん先に進んでいくシンを追いかけるために急ぐ

数分歩くとエリスから報告があった


エリス「マスター、前方に敵対反応を確認しました。」


シン「お!分かった!」


すぐ前の茂みから魔物が飛び出してくる

初めてのエンカウントはゴブリンだった

本来は群れを形成するがハグレのようで一体しか居ない


ゴブリン「グギャギャグギャギャグギャギャ!!!!!」


気持ち悪い声で叫び、手に持った棍棒を振りかざして襲いかかってくる


シン「やっぱり初めはゴブリンだよね!どうやって戦おうかな…………そうだ!創造!」


シンが創造を使い作られたのは片手剣であった

剣は綺麗な波紋があり、切れ味も良さそうだ


シン「これで戦えるね!」


そう言ってシンはゴブリンを迎え撃つ

ゴブリンがブンブン振り回している棍棒を受け止めるため剣を出すと、切れ味が良く逆に棍棒がスパッと切られてしまった

ゴブリンは驚いている

その隙にシンはゴブリンの懐へと潜りこみ、剣を首に向かって一閃する

すると豆腐を切るかのようにスッと切れて首が落ちる

血が降り掛かってくるのを避けるように素早く距離を取ってゴブリンが倒れる所を見ているシンに対して…


アリシア「お見事ですご主人様。」


アリシアはあまりの驚きに思考を放棄したのか、手放しでシンを褒めていた


シン「いや〜倒せてよかったよ!」


と話していた

そしてゴブリンを解体して得た魔石は爪の先ほどの大きさであった


アリシア曰く、「ゴブリンの魔石は殆ど高値では取引されません」とのこと


魔石をアイテムボックスに入れてまた進む


エリス「右方向500m先にゴブリン2体を感知しました」


エリスがゴブリンを感知するとシンはそっちへ向かっていく


シン「次は何を使って戦おうかな?やっぱり魔法かな!」


そう言っているうちにゴブリン2体とエンカウントした


シン「なんの魔法を使おうかな?森だから火は危ないし…水にするか!水球〈ウォーターボール〉!」


すると水の塊が生成され、ものすごい速さでゴブリンに飛んでいった

片方のゴブリンは頭を貫通し、もう1体は胴体の真ん中を貫かれてそのまま倒れ伏した


シン「いやぁ…なんか強すぎない?」


とシンが確認していると


アリシア「ありえない?!魔法は本来詠唱を必要とするのに無詠唱で発動し、更にあの威力…やはりご主人様は最強ですね…」


とアリシアが感心していた

そんな事がありつつも一行は段々とそしてのんびりと森の奥へと歩みを進めていった



後書き

冒険者のランクは後々説明しますので今回は割愛…


閲覧頂きありがとうございました!

次回も宜しくお願いします!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る